南アフリカランドはFXスワップ運用に適しているか調べてみた

FX取引でスワップ金利の高い通貨を長期間保有すると、銀行の利息のようにスワップポイントが付与され利益を得ることができます。

高金利通貨として注目されている一通貨に南アフリカランドがあります。そこで、南アフリカランドがFXスワップ運用に適しているか調べてみました。

この記事の結論


南アフリカの政策金利、主要産業、失業率などを鑑みるとスワップ運用に向いている通貨と言えます。しかし、メジャー通貨よりもリスクが高いため、投資金の一部だけを充てて運用するのが理想です。分散投資するのが大原則になります。


南アフリカとはどんな国か?



まず、南アフリカとはどんな国なのか、とりわけFX取引に深く関係する点を中心に見てみます。

政策金利


2015年9月時点の政策金利は、6.0%となっています。主要先進国では概ね1.0%以下となっているのに対し、6.0%という数値は驚異的です。

FXスワップ金利は政策金利に連動します。政策金利が高くなればそのスワップ金利も高くなり、逆に政策金利が低くなればスワップ金利も低くなります。

その点から考えると、南アフリカランドはFXスワップ運用としてふさわしい通貨と言えます。スワップ運用の大前提は、高金利通貨を運用することですからね。

主要産業


鉱業が非常に盛んな国です。金やプラチナといった鉱物資源が埋蔵されており、金においては世界の産出量の約50%に上ります。鉱業をメインとして国の経済が更に発展していくことが期待できます。

失業率


2000年以降、失業率が20%を下回ったことはなく、近年では公務員のストも行われています。現在のアメリカの失業率は5.1%、日本は5.2%であることを考えると20%オーバーの数値が相当高いことが分かります。

失業率が高いということは経済基盤が不安定なわけですから、投資対象としてはデメリットになります。

その他


アパルトヘイトの問題や電力供給問題が国とその経済の発展の障害となっています。発展途上国につきものの国の基盤のもろさが通貨危機に繋がるリスクがあり、投資対象として選択する上で十分注意が必要です。


南アフリカランドでスワップ運用の可否



では、結論として、南アフリカランドでスワップ運用をするのは適していると言えるのでしょうか? イエスかノーで答えるならば、イエス、としたいと思います。ただし、条件付きです。

FX取引にて南アフリカランドをスワップ運用する場合、その他通貨や他の投資商品への分散投資が必須になります。投資金すべてを南アフリカランドへ投資するといった行為は無謀です。

投資ポートフォリオの中で一部分を南アフリカランドを含めた新興国株や新興国通貨にあてるのは、今後の成長期待値の面から考えても問題ありません。むしろ、相応しい範囲で積極的に投資をするべきだと思います。

しかし、あくまでも投資金の一部をあてるだけ。例えば、投資対象の5~10%を南アフリカランドに、といった感じでポートフォリオを組むことができるでしょう。


スワップポイントはどのくらい付与されるか?



では、FX口座を利用して南アフリカランドを運用した場合、スワップポイントはどれくらい付与されるのでしょうか?

たとえば、高スワップ金利提供会社として有名な「ライブスター証券」では、現時点で1万通貨ごとに14円/日のスワップポイント付与となっています。また、セントラル短資FX、SBI FXトレードでは13円/日(同じく1万通貨ごと)となっています。

1万通貨運用し毎日14円付与されるのであれば、365日の運用で5,110円得られる計算です。レートを1ランド9円とすると、1万通貨運用に必要となる投資金(証拠金)は3,600円ですから、年利にすると141.94%です。

銀行金利は地方銀行の特別金利でも0.4%(年利)がやっとですから、為替リスクや金利リスクがあるとは言え、3600円を1年間、南アフリカランドで運用したほうが魅力ある投資だと思います。

南アフリカランド投資、いかがでしょうか?(執筆者:堀 聖人)

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