ビジネスマンが名刺を持つことには本当に意味がなくなったの?

 ネットワークの発達により、最近では名刺の重要性が薄れてきたと感じる方も多いのではないでしょうか?スキャナーで読み込み、名刺情報のデータベースに入れるので、名刺自体は引き出しの奥にしまったまま。では本当に名刺に意味はなくなったのか?といえば、それは違います。第一印象の「印象管理」を行うためには今でも名刺がコストパフォマンス抜群なツールとして役立ちます。

名刺の重要性は既に過去のものとなったのか?


 あなたはどんな名刺を持っていますか?

 私の名刺はごく普通のサイズの名刺ですが、変わった名刺を持っている方もいますね。

 先日もらった名刺は、縦に真半分に切った横長のものでした。「2枚並べると普通サイズになるなあ」と思いながら、名刺入れにしまいました。

 また、自分のプロフィールや実績を細かく記載している「小冊子」仕立ての名刺を作っている人もいますね。

 さて、最近は、名刺の重要性が薄れてきたように思います。

 以前は名刺フォルダーにしまったり、くるくる回して名刺が探せる回転式名刺整理器、「ローロデックス」に入れて電話をかけるときに利用したものでした。

 しかし今は、スキャナーで読み込み、名刺情報のデータベースに入れるので、名刺自体は引き出しの奥にしまったまま、という方も多いのではないでしょうか?

今でも名刺による第一印象を強める効果は健在


 そもそも、名刺交換後はメールでのやりとりが主体になることが多く、名刺データベースを検索することもそれほど多くないでしょう。

 いざとなれば、ネットで検索すればオフィスの住所なども簡単に調べられますし。また、フェイスブックでつながれば相手の詳細プロフィールも確認可能です。

 では、このような時代において、名刺にはどのような役割を持たせたらいいのでしょうか?

 それは、初めて会ったときの「第一印象」を強め、自分の名前を覚えてもらいやすくする、ということでしょう。

 もはや、「変形サイズだと、名刺フォルダーにしまえず保管されにくい」と気にする必要性はあまりなくなりました。

 ですから、思い切りぶっとんだ名刺を作って強烈な印象を与え、話がはずむきっかけに活用してはどうでしょうか。実際、様々な「変り種名刺」を作ることができます。

 例えば、ピーナッツに社名と役職、名前を印刷した「落花生名刺」。もらったら、そのまま食べることもできます。

 食べ物ですから、どちらにせよ最後は捨ててしまわれる運命にあります。でも、名刺交換後は、メールでフォローすればその後のやりとりも問題ありません。

 また、名刺サイズで、名刺と同じ内容を記載した「クッキー名刺」もあります。

 プレーン味に加えて、イチゴ味も発売されているそうです。こちらも、食べてしまえば名刺は消えてなくなりますね。しかし、メールでフォローすればOK。

 もし、お互いに名刺管理サービスの「Sansan」のようなサービスを利用していれば、ネット上で名刺情報が交換できますから、名刺自体がなくなっても問題ありません。

 その他、食べ物系では、「ラムネ名刺」「金平糖名刺」「えびせん名刺」などもあるようです。

名刺を積極的な印象管理ツールとして活用せよ


 コミュニケーションにおいては、第一印象が極めて重要だと言われています。

 というのも、最初に相手が感じる印象、たとえば、「面白い人だな」「優しそうな人だな」「融通が利かなさそうだな」など、ポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、最初の評価が、後々までずっと影響を与えてしまうからです。

 相手に対して自分をどのように見せ、どのような評価を形成させるかを考え、実行することは「印象管理」と呼ばれていますが、単なる情報交換ツールになりがちだった名刺を積極的な印象管理のためのツールとして活用してはいかがでしょうか?

 日々、たくさん配布する名刺は作成費用もバカにならないものですが、印象管理ツールとして活用すれば、十分元を取ることができます。(執筆者:プロフェッショナル・マーケター - ジェネシスコミュニケーション 松尾順)

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