Dropboxはビジネスのデータやりとりに使って良いのか?

 Dropboxは、大きなファイルサイズのデータを、クラウド上でやりとりできる便利なソフトです。ビジネスでも日常的に社内外のやりとりでDropboxを利用する人は多いですが、果たしてクラウドでビジネスのやりとりをすることに、リスクはないのでしょうか?ITのプロが解説してくれます。

ビジネスのやりとりでDropboxを普通に使っているけれど大丈夫?


 会社の外からでも、お客さん同士でも気軽にファイルのやり取りをできる、オンラインストレージソフトといえばDropBoxです。

 メール等で送れない、大きなファイルサイズのデータをやりとりする場合など、とても便利ですよね。

 しかし、このDropBoxは、個人的に使用するのは気軽でよいのですが、仕事で使用するデータは基本的にセキュリティ面で大丈夫なのかな?? というモヤモヤした問題が浮上してきます。

 そこで本稿では、このもやもやをすっきりさせることにしましょう。

クラウドはデータが流出する可能性を前提に置いて使わねばならない


 DropBoxは、一利用者の立場から見た場合、第三者であるクラウドサービスを構築する組織が運営しているソフトです。

 貴方からAさんにデータを送る場合、

  • あなた
  • DropBox
  • Aさん

 というように、DropBox上のサーバを経由するわけです。これがクラウドの仕組です。

 つまり、一時的に機密情報でもDropBox側のサーバに置く(置き場所を知らせる)ことになります。

 この置き場所の情報が、個人的にどうでもよい情報ならよいのですが、流出したときのことを想像すると、そこには確かにリスクが発生することになるわけです。

 そういう意味ですと、以下のサービスも同様のリスクを持っていると言えるでしょう。
  • Gmail
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
  • EverNote
 更に極端に言うと、もうひとつ大きな問題をクラウドは抱えています。次項で説明しましょう。

海外サービスを国家権威で使用できなくなっても文句は言えない


 現実に起こり得るかは別として、以下のような事態に陥ったとしたらどうでしょうか?

  貴方は米国のクラウドを使用していましたが、次の大統領が一時的にクラウドの情報を、軍事的にリスクがあると判断し、サービスを2年間停止することを決定しました。

 もし、米国のクラウドに頼っていた会社の業務は、全てここでストップしてしまいます。

 もしくは、知らない間に軍事的に使用している可能性もあり、急に脅威にさらされる可能性もあります。

 極端ですが、持ち主は米国であり、そこの畑を利用させてもらっている身分なので、一度このような事態に陥ると、私達は何も言えなくなります。

 そのためDropBoxも例外ではないですが、最近では、このようなリスクにも耐えられる保証プランを、クラウド側も打ち出しています。

クラウドを利用した情報のやりとりルールを社内で決めよう


 これらを踏まえると、クラウドを経由して社内外でデータのやり取りをする場合は、
  • ・ビジネスプランやエンタープライズプラン等へプランを見直す
  • ・流失しても平気な情報のみやりとりにクラウドを利用する
  • ・アップするファイルは暗号化するルールを作る
  • ・業務でも保障されているファイル共有サービスを使用する(大塚商会どこでもキャビネット等)
 というスタンスでいるのが良いでしょう。

 更に心配な方は、クラウドサービスを使用せず、やりとりする業者間でVPN等のネットワーク強化を行うことをお勧めします。(このあたりは業者さんに任せてみましょう)

 最終的に何が言いたいかと言えば、何も気にせずクラウド上で会社の書類をやりとりしていた場合は、少しリスクを意識してみてください。

 もし、会社全体がそのような風潮になっていたら、上司やセキュリティ責任者に相談しましょう。

 ちなみにITリテラシーの高い会社であればあるほど、このようなサービスは遠ざけています。

 何でもアップしてしまう前に使い方を切り分ければ、クラウドはとても有効なサービスと言えます。(執筆者:アイティーエムクリエイト)

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