“プライドの塊”である男性の心を上手に動かす言葉とは?

 男性は「尊敬されたい」という欲求を強く持っています。プライドゆえに勇気を持てず、新たな一歩を踏み出せないケースもあります。勇気を持って新たな一歩を踏み出すために、男性のプライドを上手に生かし、行動を起こさせる言葉はどのような言葉なのか?陰陽五行論の視点から考えてみましょう。

女性が男性に文句を言う時はどう対応すべき?


 以前、とあるセミナーで、セミナー講師の方がこんな質問を投げかけました。

あなたが家に帰ると、奥さんが怒っています。

「あなた、玄関の電灯、切れているから取り換えといてって言ったでしょ。どうしてやってくれていないの!」

確かに、そう言われたことは覚えていましたが、ついつい、忘れていました。

そのとき、あなたはどうしますか?
 読者の皆様が同じ立場にいたとしたら、奥さんにどう答えますか?

 「ああ、わかった、わかった、今すぐ、替えるよ。」と言って、脚立を持ってきて、買い置きの電灯管を探し出し、取り替えようとしますか?

 セミナー講師は言いました。「それじゃあ、ダメなんです!」

 「それじゃ、奥さんは怒ったままなのです」

 (えっ?:男性陣)

 会場にいた、数名の女性が、大きくうなずいていました。

 (どうして?:男性陣)

 「奥さんが怒っているのは、貴方が電灯を取り換えてなかったからではなく、替えてと言った自分のことを大切に思っていない、と感じるからからなのです」

 (うーーーん:男性陣)

 「だから、正しい返事は、『すぐやるよ』ではなく、『ごめん、愛しているよ』なのです」

 (なるほど:男性陣)

 この話、男性なら思い当たるところがありませんか?

女性は「愛されたい」欲求を、男性は「尊敬されたい」欲求を強く持つ


 この時のテーマは、男女間における欲求の違いということで、「女性は男性よりも愛してもらいたいという欲求が強い」という話でした。

 考えてみれば、男性にも同じように、男性ならではの欲求があります。それは「尊敬されたい」という欲求です。

 メッセージを送って、相手が既読しているのに、返信が遅くなったり、来なかったりしたら、イラッとしませんか?

 どうも、このようなケースでは、女性よりも男性の方がイライラする度合いが強いようです。

 もし、尊敬している人からメッセージをもらったら、何をおいてもすぐに返信しますよね。

 返信がないということは、「すぐに返信するに値しないほど、自分のことを尊敬していないということだ!」と男性は感じてしまいやすいのです。

 ですから、メッセージは、なるべく早く返信し、やむを得ない事情で返信が遅れるようなら、「今、○○なので、後ほど、返信します」と返信するようにしたいところです。

男性のプライドを満たし勇気づける簡単な方法


 さて、この男性の欲求を踏まえて、どのようにすれば人間関係を円滑にできるか、陰陽五行論の観点から、もう少し深く考えて見ましょう。

 自分のことを尊敬してほしいという思いは、陰陽五行論で言えば、金(宝石)のエネルギーで表されます。

 宝石のキーワードは、プライド(自尊心)です。

 プライドがあるから、勇気をもって課題に挑戦したり、組織をまとめたりすることができるのです。

 東洋では、土の中から金(宝石)が生まれてくることから、土のエネルギーは金のエネルギーを高めると考えられています。

 土のエネルギーには、「愛」という意味があります。

 この愛は、恋愛感情というより、「愛する」「与える」「信じる」という動詞的な意味が強いと言われています。

 つまり、愛するエネルギーが、プライドのエネルギーを高めるということになりますね。
 
 今、目の前に、問題を抱えている人がいます。「困ったことになった」「どうしよう」と言っています。

 有名な心理学者のアドラーは言いました。

  「人が課題を前に立ち止まっているのは、その人に能力がないからではない。純粋に、課題に立ち向かう勇気がくじかれていることが問題なのだ」

 だとしたら、その人に与えるべきは、解決法のアドバイスよりも、勇気です。

 土のエネルギー(愛する)で、金(プライド)を高め、勇気を出させてあげればいいわけです。

 かけるべき言葉は、「○○したらいいよ」でもなく、「頑張れよ」でもなく、「愛しているよ」だったり、「信じているよ」だったり、「応援しているよ」なのですね。(執筆者:篠田法正(しのだほうせい))

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