年金の受給資格となる加入期間が25年から10年に短縮へ

 日本の年金受給資格は、他の先進国と比較しても非常に厳しいものです。しかし、年金が受け取れずに老後の生活に困窮する人達は大幅に増加しています。これを受けて、政府はついに、受給資格を得られる加入期間を25年から10年に短縮する法案を提出しました。法案は今国会で成立することが見込まれています。

日本の年金受給資格は世界でも有数の厳しさ


 現在、年金を受給するためには、25年間国民年金に加入することが必要となっていますが、これまでは25年の加入資格にひと月足りないだけでも、年金を受給をすることが出来ませんでした。

 この年金受給資格は、他の先進国と比較しても非常に厳しいものとなっています。

 リスクを背負って経営される社長様の中には、資金繰りに困った時に、年金を支払えず、満額受給を受ける資格を持たない方もいらっしゃることでしょう。

 現状の年金制度の下では、近年、年金が受け取れずに老後の生活に困窮する人達が大幅に増加しており、生活保護を受給している世帯は過去最高を更新しています。

 現に、無年金者の数は、既に100万人を超えているのです。

年金受給資格となる加入期間が10年に短縮へ


 生活保護を受給している世帯の内訳を見てみると、65歳以上の「高齢者世帯」が全体の約半数を超える83万4621世帯となっており、このうちの90%以上を1人暮らしの世帯が占めている状況です。

 このように、生活に困窮する高齢者が増えてゆく中で、政府は年金が受け取れない人達を減らすために、受給資格を得られる加入期間を25年から10年に短縮する法案を国会に提出し、今国会で成立する見込みとなりました。

 10年という期間の中には、免除期間、猶予期間なども含まれています。

 法改正によって、来年の10月からは、新たに約64万人が年金を受給できるようになる見込みです。

海外在住者も任意加入すれば受給資格生まれる


 
 さて、今回のニュースは、現在、海外に在住されてる方で、日本在住時に国民年金に加入されていた方にとっても朗報です。

 将来的に加入期間が25年に満たなくても、10年を目指して加入することで、無年金になることを避けることが可能になるからです。

 海外に住んでいても、任意加入という制度もありますので、加入されていない方は検討されることをおすすめします。

 併せて、確定拠出年金へ加入するなどして、手堅く老後の生活資金作りをしておきたいところですね。(執筆者:永柄 正智)

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