商品を売りたいなら消費者の誰もが持つ「ゲスな感情」に着目せよ!

 消費者がある商品を購入する時は、表立った理由とは別に、人にあまり知られたくないゲスな感情で意思決定を行うことが多いものです。たとえば、ジム通いを始める表立った理由は「健康になるため」ですが、本当は「痩せてモテたい」「かっこよくなりたい」などの感情が必ず存在します。これらの感情にアプローチすることで、商品はより一層売りやすくなります。

消費者の誰もが持つ表立って言えぬゲスな感情


 今回は「ゲスな感情に着目せよ!」というお話をしたいと思います。

 ゲスな感情がどういうものかというと、虚栄心や自尊心、美人やイケメンからもてたい、というあまり表立っては口にできないけれど、誰もが心の奥底で持っている願望です。

 そして、この人にはあまり見せたくない感情に着目しないと、なかなかモノは売れません。

 どういうことか、以下説明していきます。

お金持ちがフェラーリを買うのはなぜなのか?


 たとえば、フェラーリについて考えてみましょう。

 なぜお金持ちがフェラーリを買うのか?と考えてみると、「他の車よりスピードが出るから」という理由で買う人はまずいないでしょう。

 スピードを出そうと思えば他にも車はありますし、全快でスピードを出せば日本国内は法定速度が制限されていますから、一発免停も免れないですよね。

 ならば、なぜフェラーリが売れるかというと、乗っているとかっこよく見られるし、女性にモテたり憧れの存在になれるかもしれない、という感情を満たすアプローチをフェラーリがしているからです。

 ダイエットなんかもそうですよね。

 健康になりたいという感情も当然あるでしょうが、それ以上に、「かっこよく見られたい」「モテたい」「皆に褒めてもらいたい」という願望が根底にあるわけです。

 だから、ダイエット器具やサプリメントはあんなに高くても売れますし、多くの人がジムに通います。

 消費者は表層的な理由を装うのですが、その裏側には必ずゲスな感情が存在することを、私達は見逃してはなりません。

ゲスな感情にはストーリーによるアプローチが効果的


 では、モノを売っていく時に、ゲスな感情をつつくわけですが、そのままゲスな感情にアプローチしても、消費者は思いっきり引いてします。

 「モテたいんだったらフェラーリ買いなよ」「ちやほやされたいならジムでダイエットしようよ」と言われても、誰も反応してくれません。

 なぜかというと、消費者には皆プライドがあるからです。

 たとえば今太っていたとしてもプライドがあるので、「もっと痩せたらかっこよくなるよ」とアプローチしてもプライドが傷つくし、自分が現実的に太っていることを認めたくもないし、痩せるためにジムに行くと周りにも見られたくないですよね。

 こんなことをしても、モノは売れません。

 そこで大事なのが、「ゲスな感情をカモフラージュすること」です。

 どのようにカモフラージュするかというと、ゲスな感情をストーリーにすることで、カモフラージュが可能になります。

 よくネットに「貴方も稼げるようになりたいですよね?お金持ちになりたいですよね?」って言ってる人たちがいますよね。

 こういうことを言う人がどういうストーリーを作っていくかというと、「自分も昔は貧乏で親にモノも買ってもらえなかった。クリスマスもモノを買ってもらえず、親もそれについてシクシク泣いていた。しかしそういう時を経ることにより、稼ぐことの大事さを知るようになり、今はお金持ちになった。その方法をお伝えします。」と、ターゲットのゲスな感情をゆさぶるストーリーを作ります。

 ストーリーにすることで、相手のゲスな感情を間接的につつくことができるわけです。

 私達も販促活動を行う時、たとえばDMやセールスレターにストーリーを入れることを意識することにより、本来は表立って言いにくいゲスな感情へアプローチし、消費を喚起することが可能です。

 ぜひ、意識してやってみることをお勧めします。



(執筆者:島倉大輔)

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