ライザップがジーンズメイトを買収⇒ダイエットジムと全く関係無いのになぜ?

 ライザップって何で稼いでいると思う?と聞かれたら、おそらく多くの人は、「パーソナルトレーニングジム」や「健食ビジネス」で稼いでいる企業だと答えることでしょう。しかし、ライザップが既に多くの買収を繰り返し、アパレルビジネスでも稼ぎ始めていることをご存知ですか?今週始めに発表されたジーンズメイトの実質的買収も、その一環で行われたものです。

ライザップはダイエットジムだけで稼ぐ会社?そんなことはありません。


 突然ですが、皆さんはライザップホールディングス(以下:ライザップ)といえば、何で稼いでいる企業だと思いますか?

 おそらく多くの人は、「パーソナルトレーニングジム」で稼いでいる企業だと答えることでしょう。

 これは真実です。

 企業としての始まりが、おからクッキーなど健康食品を販売する健康コーポレーションだったことから、「健食ビジネス」でも稼いでいる、と答える方もいるかもしれません。

 そして、これも真実です。

 ただし、現在のライザップ躍進を支える事業は、これだけにとどまりません。

 ライザップにおける収益の柱となり始めている、もう1つのビジネス、それは「アパレルビジネス」です。

1月にはジーンズメイトを買収〜アパレルブランド買収はライザップのお家芸。


 1月16日にライザップが赤字続きのジーンズメイトと、戦略的資本提携を行うことが報道されました。

 ライザップは、63.99%のジーンズメイト株を保有することになりますので、これは実質的に買収を意味します。

 なぜライザップがアパレルに手を出すのか?と考えられるかもしれませんが、実はライザップは既に多くのアパレルビジネスを実践しています。

 例えば、
  • 若い女性をターゲットとした、ファッションブランドとECショップを展開する「夢展望」
  • 女性用体型補整下着、化粧品などを販売する「マルコ」
  • 婦人服・服飾雑貨の企画・製造・販売を行う「三鈴」
  • マタニティウェア・ベビーウェアのギフト通販を行うエンジェリーベ
 これらは全て、ライザップが事実上買収し、傘下に収めたアパレルビジネスです。

 論より証拠で、以下のライザップの有価証券報告書等を引用すると、その売上に占めるアパレルの比重を知ることが出来ます。

節約社長
節約社長
 既に昨季のライザップ全体売上高、554億円のうち91.5億円(17%)は、アパレルビジネスによるものです。

 近年のライザップはこの他にも多くの買収を繰り返し、出版社や住宅メーカー、更にはエンタテインメント施設運営事業を傘下に収めており、コングロマリット(多角経営)化を果しています。

前期のアパレル事業は赤字も今期は半期で見れば売上増・黒字を達成


 更に注目すべき点として、先述の通りライザップはアパレルビジネスで前期に90億円以上の売上を立てましたが、この時は赤字でした。

 それが今期は半期で売上を54億円とし、更には黒字化も達成しています。

 ライザップのブランド力なのか、企業再生が実践できているのかわかりませんが、引き続きこういったリアルビジネスにも取り組んで行くのでしょう。

 いずれにしてもライザップにとって、アパレルビジネスは新しいビジネスでも何でもないのです。(執筆者:大原達朗)

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