駆け出し事業者が「選ばれる会社」となるために実行すべき5つの打開策

 駆け出し事業者である場合、自分達は頑張っているはずなのに、なかなか選んでもらえない現実があります。前の会社の看板もサッパリ役に立たず、営業したところで自分のことなど誰も知らない。このような状況が長く続く時、駆け出し事業者はどのような打開策を打てば良いのか?キミアキ先生が解説してくれます。

駆け出し事業者の選んでもらえない厳しい現実


 今日は開業2〜3年目くらいの駆け出し事業者さん向けに「選ばれる人になる」というテーマでお話します。

 開業したてですと、やっぱりなかなか選んでもらえないんですよね。

 前の会社の看板なんてクソも役に立たないですし、そもそも、あなたのことなんて誰も知らないわけですから。

 その選んでもらえない状態が長く続くときもありますので、その時の打開策をおさらいしてみましょう。

打開策1:「志」をとにかく外部へ伝え続ける


 「しごと」という文字には4つの使い道があるんですね。
  • 仕事
  • 私事
  • 死事
  • 志事
 これをご存知だという社長さんは、かなりご年配の方なんじゃないかなって思いますが、社長さん方ってこういう当て字が好きなんですよね〜。

 何でもモジって言うんです(笑)

 仕事をモジって「おまえのしごとは仕える事なんだ!」とか、「おまえのしごとは私事なのか?」とかね。

 これは例えば従業員さんが「今月ちょっとお金足りないから、テキトーに残業をやって、残業代をせしめてやろう…」とかそういうことが実際にあるわけですよね。

 それこそ自分の都合、私事なんですよね。

 あとは死事。

 「おまえは、もう死んだ事、やりたくないこと、やりたくないことをやり続けていくのか?」なんてね。

 さて、この4つの中で社長さんが1番好きな「しごと」が、「おまえのしごとは、ちゃんと志をもった事か〜!?」というヤツです。

 「世の中を良くしていこうとか、人を幸せにしていこうとか、人の困った事を助けていこうって、そういう志をお前は持っているのかぁ?」って聞いてくるんですよ。

 特に、事業者としてレベルの高い人は、「志」というのがその人にあるのか?というのを、物凄く見ているんですよね。

 事業者にも色んな人がいますけれど、レベルの高い人はしっかりと4つの「しごと」の中でも、付き合う人に「志事」があるのかを見ています。

 というわけで、駆け出し事業者の場合は、自分の仕事ひとつひとつを取っても、きちんと「志を」伝えていかなくてはいけない、ということを意識しなければなりません。

 なぜなら、「志」って本当に伝わらないものなんですよね。日本人ていうのは、みんな伝えるのがなかなか下手ですから。

 取引先さんにもそうですし、銀行さんにもそうですし、色んなところに、自分の「志」がなかなか伝わらないんです。

 だから、どうにかずっと伝え続けていく。それを駆け出し事業者はやっていかざるを得ないんですね。

打開策2:自社の強みを明確にして表明する


 それから開業するときに「どこが売りなのか」っていうことも、駆け出し事業者は明確にアウトプットする必要があります。

 技術力・営業力・変化力などですね。

  「うちはとにかく技術力が高くて、最新の技術を創り出しています!」

 とか、

  「うちは営業力がイケてます!お客様のところに足繁く通って「どこらへんが困っていますか?!」って御用聞きの営業が出来ます!」

 という感じで、明確に「どこが売りなのか」を伝えなければなりません。

 それから、これはなかなか無いんですが、変化力っていうのも一つのウリ文句になるんですよ。

 技術力も大したこと無いし、営業力も大したこと無いんだけれど、常に世の中やお客様に合わせながら会社を変えていける。

 それだけでも続けていけるんです。つまり、お客様に選ばれているんですね。

 もう1回言うと、選ばれる3つのポイントは、
  • 技術なのか?
  • 営業なのか?
  • 変化なのか?
 って話なんです。

 変化し続けていく力も、技術力や営業力と同じように1つの力としてお客様に選ばれる要素、お客様をつなぎとめておける有望な力だということを、ぜひ覚えておいてください。

打開策3:器用貧乏を止め自分軸で動くべし


 これもよくある話なんですが、駆け出し事業者として1番困るのは「器用貧乏」なことです。

 事業者はそこそこ優秀ですから、そこそこ何でも自分で出来ちゃうわけです。

 それでハッと「ウチも器用貧乏に陥ってないか…?」っていうことに、駆け出し社長さん方はよく気がつかれると思います。

 この器用貧乏っていうのは、従業員さんだったら意外と良いんです。

 なんでもそこそこ出来る従業員さんって、便利じゃないですか?

 従業員さんレベルでしたら、何の問題も無いんですけれども、自分が選ばれる、それから自社が選ばれるときに、「あいつ器用貧乏だよな」っていうことを相手に悟られたら、なかなか選んでもらえません。

 何が必要かというと、自分としても、それから会社としても「軸」を持っていなくてはいけません。

 「器用貧乏」は本当に捨てるべきものです。

 自分がやらなくても良いことは他人に任せて、自分のやるべきことを自分軸でやっていくことを意識しましょう。

打開策4:とにかく目立ちまくり顧客を増やせ


 それから、これは下請けからの脱却を図る時も同じなのですが、とにかく選んでもらう大前提として、
  • ・露出力
  • ・目立ち力
  • ・注目力
 これらの力を高める必要があります。

 みんなに注目されていることを、とにかく意識してください。簡単な話をすれば、目立つ所に看板があれば良いんです(笑)

 でも、下請けをやっていると、こういうことを一切考えなくなってくるんです。

 だって、下請けですから、表に出る必要が無くてラクなんですよね!

 景気が良い時は営業しなくても、上からどんどん何億の仕事がもらえるから良いんです。

 ところが、やっぱり上が全てを握ってますから、上から仕事がもらえなくなったら、下請けは潰れていくしかない。

 これが下請けの現実です。

 だから、駆け出し事業者も下請けを脱却する時と同じように、露出を高めて、目立って、みんなから注目を集めていないと選んでもらえません。

 目立って、色んな方に選んでもらって、一種の分散投資に近い意味で、沢山の取引先を作っていくということを意識しましょう。

 これをやっていかないと、本当の意味で「小さくても強い会社」は作れません。

打開策5:如何に顧客をファンにするか考えよ


 それからコンベ負けする方がいたら、意識してほしいことがあります。

 「今回3社参加してやったんだけれど、またうちは今回も選ばれなかった(泣)」なんて、そういう状況に陥っている方ですよ!

 そういう方は、おそらく技術で負けた、価格で負けた、そっちの原因と思われていませんか?

 だとしたら、全然違います。

 そもそも、相手をファンにしようと思って提案をしているかどうか、自分に問いかけてみてください。

 実は、提案力がある人たちっていうのは、相手を自分のファンにしてやろう!!って思うぐらいの提案をしてくるんですよ。

 自分がもし選ばれたかったら、なるべく勝つ確率の高い、「相手をファンにしてやろう!」っていう提案を続けてください。

 それでも選ばれなかったら、しようがないです!それは、「縁が無かっただけ」です。

 ですが、相手をファンにしよう!という提案は勝つ確率が高いわけですから、これをずーーーっと続けていけば、自分が選ばれる確率は高まるということです。

 これは知らない方が、結構いらっしゃるので、ぜひ参考にして下さいね。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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