あいさつで社風は大きく変えられる〜無印良品に学ぶ良い挨拶の習慣

 あいさつが業績や社風に影響を与える?はい、そのとおりです。2000年初頭、赤字に転落し苦境にあえいでいた無印良品は、業務改革を数々行うとともに、上司が率先的にあいさつを行う活動を徹底し、凡字の徹底による非凡な店舗作りに成功しました。本稿ではあいさつを組織文化に入れる4つの方法をご紹介いたします。

あいさつがない職場は雰囲気が悪い!?


人事の皆様や経営者の皆さんは、社内でこんな風景を日常的にみかけることはありませんか?
  • 社員同士のあいさつがない
  • 目を見てあいさつをしない社員がいる
  • 自分からあいさつをせず、あいさつをされても返さない社員がいる
  • あいさつはしているけれど無表情
 もし、これらの中で当てはまることが1つでもあるなら危険です。

 「適切なあいさつ」ができていない職場は後ろ向き、あるいは、消極的な考え方をする傾向にあります。

 社員が非協力的だったり、業務効率が悪いなと感じるのであれば、それはあいさつがしっかりできていないことが原因かもしれないのです。

 所詮、あいさつと思われるかもしれませんが、あいさつはコミュニケーションの第一歩としてとても大事なことですよね。あいさつをするだけで職場の雰囲気が良くなるなら試してみる価値は大いにあるはずです。

無印良品に学ぶ挨拶で良い組織文化を作る方法


 2001年当時、38億円の赤字を出し苦境にあえいでいた無印良品(株式会社良品計画)が、その6年後に売り上げを1.5倍の72億円に伸ばす大逆転を成し遂げたエピソードは非常に有名ですよね。

 ですが、一体何がきっかけで収益アップしたのでしょうか。

 同社の会長である松井氏の著書「無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい」によると、同社はMUJIGRAMというどの店舗に従業員が異動しても困らない店舗運営マニュアルの作成、DINAというシステムを取り入れることによるコミュニケーションの効率化、デッドラインボードによるタスク管理の明確化など、次々と業務改革を進めました。

 それと同時に、松井社長は企業風土を一新する際に、「どんなに良いマニュアルを作ってもコミュニケーションの基本であるあいさつができなければだめ」という考えに行き着き、課長以上の管理職に朝のあいさつ当番を実施したのです。

 当時は抵抗する人もいたそうですが、強制せずに粘り強く行っていくことで、段々と「朝からあいさつをすると気持ちいい」と思う社員が増えていったのだそうです。

 生産性や効率を上げようとすれば、業務ばかりに目をつけてしまいがちですが、企業も人との関わり合いで成り立っています。

 円滑なコミュニケーションという地盤ができていなければうまく仕事は回らないということですね。

あいさつを組織文化に取り入れる4つの方法


 それでは、次にあいさつを職場でどのように定着させていくか解説したいと思います。

1)上司や経営者が積極的にあいさつをする


 良品計画の例にある通り、上司があいさつをしなければ気持ちの良いあいさつは根付きません。

 部下からあいさつをされるけれど、あまり自発的にはしないという上司の方は多いかと思います。

 また、部下があいさつをするのは、「上司とコミュニケーションをとりたいから」というわけではなく「目上の人だから」という義務感からしている可能性もあります。

 職場をまとめる役割の人があいさつに消極的では、結局はあいさつが根付かず、また元の雰囲気の悪い職場に逆戻りしてしまいますよね。

2)こまめにあいさつをする


 さらに、朝の出勤と退勤時のあいさつだけでは、まだまだあいさつを根付かせることはできません。

 休憩や外出する人には「行ってらっしゃい」&「おかえりなさい」、すれ違ったら「お疲れ様です」、何かをしてもらったら「ありがとうございます」とこまめにあいさつをするようにしましょう。

 上司がこんなにもあいさつを頑張っていれば、部下もあいさつをせずにはいられませんし、親近感も抱きやすくなるはずです。

3)あいさつは目を見て笑顔で!


 そして、あいさつは「相手の目を見て笑顔で」するのが鉄則です。

 どれだけ頑張ってあいさつをしても無表情だったり仏頂面では良い印象は与えられません。明るい職場にしたいなら上司が明るくあいさつができることが大切です。

4)ただし、強制はNG!


 とはいえ、あいさつの取り組みを強制するのはNGです。

 義務感からあいさつをするのでは「嫌なもの」としてとらえられてしまいますから、抵抗がある人がいても強制はしないようにしましょう。

 職場であいさつを習慣づけるためには、自発的にあいさつをする社内の雰囲気を作っていく必要があるからです。

挨拶はコミュニケーションの入り口にある鍵


 「笑顔でしっかりあいさつを」なんて小学生みたいと思われるかもしれませんが、やはりあいさつはコミュニケーションの入り口にある重要なものです。

 企業が社会人としての基本をおろそかにしていてはよい仕事はできませんよね。

 社内の雰囲気を変えたいと思っている方は、まずはあいさつの習慣化から始めてみませんか?(執筆者:株式会社iCARE)

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