なぜ顧客層をお金持ちにすべきなのか?良い人に良いサービスを提供し儲け続けよう

 世の中には潰れにくいビジネスと潰れやすいビジネスがあります。潰れにくいビジネスというものを考えていく時に外せないのが、お金を持った人を顧客層とすることです。良いサービスに対してお金を支払うことを厭わぬ人を対象とすることで、サービスの質が磨かれ、競合との競争から離脱することが可能になるからです。

長く継続するビジネスモデルは確実に存在する


 今日のテーマは「続けられるビジネスモデルは顧客層がキモ」です。

 私どもは顧問先法人、いわゆる「会社」さんが100社いらっしゃいます。

 まぁ、会社さんですと、事業が立ち行かなくなって…っていうことも結構あるんですけれども、個人さんの方は主に不動産の賃貸業の方が多いので、開業からもうすぐ16年経ちますけれど、本当に1件も倒産劇みたいなものは無いんです。

 ず〜っと変わらないものですから、私達も新規顧客を補充する必要がないんです。

 それくらいビジネスモデルによって随分と違いがあるわけですけれども、不動産賃貸の場合は参入障壁も高くて、東京の不動産なんて非常に高うございますかね。

 それを実際にゼロから買える人っていうのはなかなかいなくて、多くの方は親からの相続で土地を相続して、そして上もののアパートやマンションを建てるという商売をやってらっしゃいます。

 ですから、東京でゼロから始めた不動産ビジネスと言うのは、そんな簡単に潰れることがないです。

長く続けられる商売に革新性はあまり必要ない


 では、長く続けられる商売というは、今ある商売なのか、今ない商売なのか、という点で考えてみると、実際は今ある商売で十分やっていけるんですよ。

 と言いますのも、小さなビジネスモデルでよければ今ある商売で十分やっていけます。

 なぜかと言うと、既にお金を払うお客様が存在しているだけで、随分と可能性が変わってくるからです。

 今ある商売に新規参入する場合って、ある程度のマーケットが分かっていますので、「これやったらそこそこ買ってくれるよな…」とかね。

 特に!隣町にはあるんだけど、うちの町はない。とか、そういうのが見えやすいじゃないですか。

 ですから既にお客様が存在しているようなものを、人マネ、モノマネもでもいいから持って来ればなんとかなる。

 特に日本の経営者の場合は、アメリカで流行ったものを日本に持ってくるのが得意で、これは俗にタイムマシン経営なんて言われています。

 それにしても、アメリカのベンチャー企業だって 、ホントのオリジナルは殆どありませんからね。

 ほとんどが人マネかモノマネです。

 ですから、あまり大きな売り上げを考えなければ、もうこれで十分やって行けます。

結局は顧客層が決め手〜良いお客様と取引する企業は継続する


 ただし、ランチェスターの弱者の戦略を実践していくうえで、どこが肝となるかというと、やっぱり1にも2にも、とにかくお客様の層なんです。

 どの辺りをターゲッティングしていって、他の競合他社とどのようにお客様の層を変えていくか。

 ここら辺が実践論としては非常に難しい。

 10年続けていくには、よその会社さんも本当に色々苦労されて、顧客層をより良い方向に向けていかざるを得なかったんですね。

 私どものお客様でも、新規開業から10年持った会社は非常に少のうございます。10社ありません。

 ただ1つ、10年もった会社さんで言えることは、そのお客様自身が持っているお客様、顧客層が非常に良いんですよ。

 Googleさんを例に出すわけじゃないですが、Googleさんだって、まぁ人のモノマネみたいな感じで商売を始めて、それでgoogleさんの凄いところは企業文化なんですね。

 企業文化が、「良い奴と働く」みたいな感じで、それはお客様に対しても「良い人は評価する」みたいな考え方なんですね。

 中小零細企業においても同じで、良いお客様とずっと付き合っていないと、10年なんてやっていけないんです。

 だって嫌なお客様と付き合って商売やっていけると思いますか?!やっぱり嫌でしょう?

 ですから売り先も買い先もね、非常に気持ちの良い人たちとつるんでいく。これが鉄則なんです。

お金持ちへの差別化アピールは誰が見てもパッとわかるもので行う


 そして、これに対応する商品・サービスを考えるどころか、常に変えていかなくてはいけない。

 ですから、「変化と継続」の変化を起こして、お客様の層に合わせた商品・サービスを常にやっていかなくてはいけない。

 ここら辺が実務でとても大変なところですね。

 あとは、差別化戦略というのはどういう風にすればいいかというと、やはり競合がいる業界でやるのが普通ですから、その時に素人さんでも分かる差別化がしっかりと出来ているかどうかなんです。

 誰が見ても、「あ!違う!」って分かるような差別化が出来ているかどうかが重要です。

 これについては、商売が下手な人ほど、専門家でなければ分からないような差別化をやっておきながら、「ウチの商品はここが違うんですよ!!」って言います。

 素人の私に全く理解できないのだから、一般の人はもっと理解できないものなの。

 だって、他にも代用品ありますよね?って。代用品が無いわけじゃあないんですよ。

 その人たちは代用品があるにもかかわらず、「ウチの商品はここが素晴らしいんです!玄人の人だったら分かってくれるはずなんですッ!」、という形で主張するんだけど全然売れない。

 やっぱり素人さんが分かるような差別化をしないといけなくて、「誰が見ても分かる!」これが大事です。

強引に客層を変えてでも良いからお金持ちを顧客層にしよう


 基本的に商売って競争をしてはいけないんです。

 ですから長く続けていく、10年持つ会社をやっていくとか、あるいは今後10年もまだ生き延びていきたいので、基本的には競合との競争はせず、住み分けの分野を作って、そこで参入障壁を作ってしまうんです。

 実践論では、とにかく競合が普通にいるんです。

 競合はいるけれども、どのように住み分けて行くかというのは、1にも2にも、まずはお客様の層を変えてしまうことが重要です。

 お客様はとにかく、良い人と付き合うのが1番心が痛みませんので、とにかく良い人を探して、その人たちと付き合っていくには、どうやれば付き合っていけるかを考える必要があります。。

 そしてその競合との住み分け。顧客層で住み分けをしてく。

 これがポイントなんですね。

 以上、今日は長く商売を続けるコツをお話してみました。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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