2017-07-15 02:49:45

[Marketedge]コモディティ週報 2017/07/17

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【金】 金融政策の正常化プロセス続く、根強い先安観
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<1,200ドル割れを前に下げ一服>
COMEX金先物相場は、1オンス=1,220ドル台までリバウンドする展開になった。世界的な金利上昇圧力を背景に、7月10日には3月15日以来の安値更新となる1,204.00ドルまで値下がりした。しかし、その後はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言と前後して金利上昇傾向が一服したことで、金相場も下げ一服となっている。ドルインデックスが年初来安値を更新したことも、これまでの急落相場に対する反動高を促している。


<イエレン証言を受けての値崩れ回避>
7月12日と13日には、イエレンFRB議長が議会証言に出席した。マーケットでは、年後半の追加利上げやバランスシート縮小について従来よりも踏み込んだ発言が聞かれるか否かが注目されていたが、結果的には特に目新しい発言内容はなかった。バランスシート縮小に関してでは「早く」着手する必要性を指摘したが、利上げに関しては「緩やかな」継続方針を示すのみであり、6月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見と比較して、特に新たな情報提供は行われなかった。ただ、低インフレ環境に対する懸念表明に多くの時間を費やしたことや、自然利子率の低迷で利上げ余地は多くない可能性を指摘したことなどが、最近の急激な米金利上昇傾向にブレーキを掛け、議会証言をきっかけに金相場が本格的に値崩れを起こす展開は回避されている。


<先高観形成は困難>
もっとも、米金融政策の正常化圧力は何ら修正を迫られる環境にはない。金融政策正常化の軸足は、利上げよりもバランスシート縮小になる可能性が高まっているが、過去の低金利政策と量的緩和政策がともに金価格の急騰を促してきたことを考慮すれば、金相場に対する逆風は継続されよう。まだバランスシート縮小時期について明確なコンセンサスは形成されていないが、現在の経済環境からは9月が有力視され、金価格の急騰を促してきた「プリント・マネー」政策の巻き戻しが開始されることは極めて大きな変化である。


<金融政策正常化進めば、下値不安が残る>
世界的にみても、欧州中央銀行(ECB)は早ければ9月にも政策メッセージを変更する見通しであり、テーパリングに着手する時期も近づいている。8月のジャクソン・ホールでより詳細な見通しが提示されるとの観測も強い。イングランド銀行やカナダ銀行などでも、内部に異論もあるが金融政策正常化の方向に動いている。低インフレ環境にあって金融政策正常化の道のりは必ずしも平坦ではないが、このまま突発的な金融経済危機が発生しないのであれば、金融緩和プレッシャーは徐々に排除される流れは維持されることになる。政治リスク、地政学的リスク、更にはテーパー・タントラムの発生などに警戒しつつ、下値模索の展開が基本になろう。1,200ドル水準ではアジア現物買いへの期待感もみられるが、このまま着実に金融政策の正常化が進むのであれば、金市場からの資金流出、新規売りの拡大傾向に歯止めを掛けるのは困難とみている。




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【白金】 イエレン証言で下げ一服も、先高観形成は困難か
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<安値更新後に下げ一服>
NYMEX白金先物相場は、1オンス=891.40ドルまで値下がりして昨年12月15日以来の安値を更新した後、920ドル台を回復する展開になった。下値切り下げ傾向は維持されているが、7月12日と13日に行われたイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)の議会証言と前後して金利上昇傾向が一服する中、白金相場は下げ一服となっている。米インフレ指標の伸び悩みもあって、短期筋のショートカバー(買い戻し)が先行した。南アフリカ通貨ランド相場が、対ドルで急伸したことも支援材料になっている。


<イエレン証言のインパクトは限定的か>
基本的な相場環境については、引き続き金相場と共通している。世界的な金利上昇圧力を背景に下値切り下げ傾向を維持しているが、イエレンFRB議長の議会証言が必ずしもタカ派の内容にならなかったことが、下げ一服感をもたらしている。イエレン議長も、早期のバランスシート縮小着手、緩やかな利上げ方針を示しているが、マーケットでは今後の金融政策正常化プロセスについて更に踏み込んだ情報提供を期待していた向きが多かったこともあり、ここ最近の急激な金利上昇傾向にブレーキが掛かっている。ただ、このまま政治・経済環境に大きな変化が生じないのであれば、米金融政策の正常化プロセスに対しては何ら変化が生じないことになる。CMEのFedWatchで12月までに追加利上げが実施される確率についても50%程度のレベルで織り込みが続いており、特にハト派の米金融政策評価が広がりを見せている訳ではない。


<ランド相場のリバウンドには要注意>
イエレンFRB議長の議会証言のインパクトとしては、ランド相場への影響に注目すべきだろう。先進国で急激な金利上昇圧力が発生する中、新興国市場では資金引き揚げリスクが警戒されており、ランド相場は対ドルで5月10日以来の安値を更新していた。しかし、イエレン議長が緩やかな利上げ方針を示す中、新興国通貨は落ち着きを取り戻しており、通貨環境は白金相場に対するネガティブ材料からポジティブ材料への転換を見せている。これまでの下げ相場におけるランド安のインパクトが乏しかったことからは、仮にランド高が続いても白金相場に対する押し上げ効果は限定的とみている。ただ、ランド相場の急伸がみられると、通貨・コスト要因で突発的な急伸となるリスクが浮上することに注意が必要である。


<900ドル割れでも下値不安が残る>
このまま米金融政策の正常化プロセスが維持されるのであれば、金利上昇圧力と連動した戻り売り優勢の地合が想定される。900ドル水準はコスト論から許容できる安値限界との見方も根強いが、金相場が1,200ドル割れ定着を打診した際に、白金相場のみが900ドル水準を維持し続けるような相場展開を想定することは難しい。世界の金融政策の潮流が変わろうとする中にあっては、通貨不安を背景とした金投資のニーズと同様に白金投資のニーズも更に低下する可能性が高い。当然に米金融政策正常化プロセスは簡単に進めることが可能なものではないが、まだ底打ちを確認するのは時期尚早と考えている。




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【原油】 在庫減少圧力が続き、下値不安は後退する
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<下押し後にリバウンド>
NYMEX原油先物相場は、1バレル=43.65ドルまで下押しされた後、46ドル台までリバウンドする展開になった。米産油量やリグ稼働数の減少を背景としたリバウンド圧力が一服する中、一時は6月27日以来となる約2週間ぶりの安値を更新した。しかし、その後は米原油在庫の減少圧力などを背景に改めて地合を引き締め、若干ながら戻りを試す動きが優勢になっている。早めに利食い売りを進める動きが上値を圧迫しているが、総じて45ドルの水目水準の値位置を維持している。


<米在庫水準からは割安感もある>
米エネルギー情報局(EIA)発表の全米原油在庫(7月7日時点)は前週比756万バレル減の4億9,535万バレルとなった。前週の630万バレル減に続いて大幅な在庫取り崩しであり、5億バレルの大台割れは1月27日以来のことになる。その当時の原油相場は50~55ドル水準で取引されていたが、特に過去の在庫と原油相場との相関からみた割安感を指摘するような声は広がっていない。ただ、継続的な在庫減少圧力が発生しているのは事実であり、40ドル台前半ではシェールオイル生産コスト限界論も盛り上がりを見せる中、足元では下げ一服感が広がっている。


<催促相場の再開には要注意>
リビアやナイジェリアの増産圧力が強まる中、6月の石油輸出国機構(OPEC)産油量は前月の日量3,222万バレルから3,261万バレルまで39万バレル増加したと報告されている。ただ、こうした動向については既に事前に周知されていたこともあり、マーケットの反応は限定されている。7月24日の減産閣僚会合において追加減産を巡る議論が進展しないとみられる中、仮に追加議論といった新たな政策対応の催促相場化すると、突発的な急落地合に転換する可能性もある。リビアとナイジェリアの産油量に上限を設定する議論が停滞していることも、需給リバランス実現への障害と評価されると、急落地合を促す可能性がある。仮に催促相場がメインテーマ化されれば、40ドル割れのリスクも再浮上する。ただ、6月時点であれば新たな投機売りを呼び込むのが必至だったこうした動きも、7月入りしてからは特に材料視されていない。需給リバランスの失敗に対する過度の警戒感が後退していることが窺える。


<在庫減少圧力を評価できるか>
国際エネルギー機関(IEA)は2017年の世界石油需要を前月から日量10万バレル引き上げ、4~6月期には70万バレルの供給不足が発生したとの見方を示している。下期には更に在庫調整が進む見通しであり、在庫変動環境からは原油相場の50ドル台回復も十分に支持できる状況にある。ただ、マーケットでは本当に需給リバランスが進んでいるのか「証拠」を得たいとのムードが強く、緩やかなペースでしか原油相場のリバウンドは進まない見通しである。7月19日の米在庫統計などを手掛かりに、コアレンジ切り上げを打診する動きがみられるか否かが焦点になる。現状では、「先高観の高まり」よりも「先安観の後退」との評価に留まっている。




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【石油製品】 海外原油高の持続力問う
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<下押し後にリバウンド>
東京ガソリン先物相場は、1kl=4万6,000円台中盤まで下落した後、4万8,000円台前半までリバウンドする展開になった。夏休みが近づいているが、特に国内需給動向は材料視されておらず、専ら海外原油相場と連動した値動きになっている。シェールオイルの減産懸念が後退したことで一時下押しされたが、海外原油相場の本格的な値崩れが回避されたことで、その後は若干のリバウンド圧力が観測されている。なお国際原油需給リバランスに対しては根強い不透明感があり、高値では早めに利食い売りに動く動きが観測されている。ただ、下期入りで世界的に在庫減少圧力が強まる中、在庫環境を素直に評価すればもう一段階の上昇が見込めることになる。もっとも、追加減産が必要といった評価に傾くと、瞬時に急落地合に転換するリスクを抱えていることには注意が要求される。なお、石油連盟発表の週末在庫(7月2~8日)は前週比2.7%減の177万2,021kl、推定出荷量は7.9%増の98万8,209kl。


<5万円台回復>
東京灯油先物相場は、4万8,000円台前半まで軟化したあと、5万円台まで切り返す展開になった。概ね海外原油相場と連動した値動きになっている。海外原油相場の地合改善が続けば5万円台確立が打診されるが、現状では自律反発の範囲内。在庫減少圧力を正当に評価する形で、明確な上昇トレンドを形成できるかが打診される局面になる。なお、石油連盟発表の週末在庫は前週比3.5%減の160万5,636kl、推定出荷量は34.8%減の8万8,645kl。




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【天然ガス】 下げれば物色妙味あれど
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<3ドル水準までリバウンドするも>
天然ガス先物相場は、1mmBtu=3.0ドルの節目水準までリバウンドするも、戻りでの売り圧力も強く、明確な上昇トレンドを形成するには至らなかった。7月5日の2.832ドルで底入れしてリバウンドしているが、3ドル台を確立するまでの勢いはなく、6月29日以来の高値を更新したものの、概ね6月上旬から続くボックス圏内での値動きに留まっている。


<下値不安後退も決め手難>
気温上昇による冷房用需要の拡大期待から3ドル台を回復した。しかし、その後は穏やかな天候見通しに変わったことで戻り売り圧力が強まるなど、明確なトレンドを打ち出すには至っていない。供給サイドに関しても、減産期待で買われ、増産期待で売られるなど、正反対の情報が交錯している状況にある。足元では、穀物相場が急反落するなど、熱波が緩むとの予報もあり、気温低下圧力が観測されると若干の調整リスクが高まる。ただ、これから8月に向かう中で冷房用需要の大幅な落ち込みは想定しづらく、押し目買い優勢の地合は維持されよう。海水温度の上昇で熱帯性防風雨が発生するなど、メキシコ湾の操業体制にも不確実性が強くなっている。現時点で供給リスクを織り込む必要性は乏しいが、突発的な減産圧力に対しても注意が要求される時間帯になる。なお、米エネルギー情報局(EIA)が発表した全米天然ガス在庫(7月7日時点)は前週比570億立方フィート増の2兆8,880億立方フィートとなっている。前年同期は8.9%下回っているが、5年平均は6.2%上回っている。




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【ゴム】 相場テーマが定まらず、ポジション調整中心の展開続く
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<方向性が定まらず>
東京天然ゴム先物相場は、1㎏=200円の節目近辺で揉み合う展開になっている。上海ゴム相場が安値からの切り返しを見せたことで、東京ゴム相場も若干強含みの展開になっている。しかし、当限は緩やかなダウントレンドを継続する中、期先限月のみを本格的に買い上げるような動きはみられず、明確な方向性を打ち出すには至っていない。比較的狭いレンジでボックス気味の展開が続いており、相場テーマが絞り切れていない。出来高も極度の低迷状態にあり、売買見送りムードが維持されている。


<上海ゴムは不安定な値動き続く>
上海ゴム相場は7月4日の取引で突然に1トン=1万3,000元割れの急落となったが、12日の取引では1万3,000元台まで急反発する展開になっている。何も材料が見当たらない中で突発的な急伸や急落が発生しており、トレンドの把握が極めて困難な状況になっている。チャート上では1万2,000元台中盤に強力な支持線が引かれているが、1万3,000元台では上値追いに慎重ムードも目立ち、方向性の把握が極めて難しい状況になっている。中国の他コモディティ市況は全体的に底固く推移しているが、こちらも明確な方向性を打ち出すには至っていない。製造業指標の改善、流動性引き締めの緩和などはポジティブだが、潤沢な在庫が確保される一方で需要環境は良好とは言い難く、上値も下値も攻めきれない中途半端な地合が続いている。目先は、瞬間的な急伸・急落が見られても当然との割り切りが要求されよう。


<当限堅調で順鞘拡大するも>
東京ゴムに関しては、当限は軟調である。産地集荷量が安定する中、戻り売り優勢の地合が続いている。本来であれば、期先の11月限や12月限は増産期にあることで、当限の水準切り下げを受けて期先は更に値下がりする展開が支持される所だが、実際には特に目立った動きは見せていない。寧ろ、当限のじり安に対して期先がじり高となる結果、当先の順鞘(期近安・期先高)が拡大する展開になっている。7月14日終値時点では14.50円と比較的大きな順鞘が形成されているが、鞘バランスによる期近の下げ過ぎ感、期先の上げ過ぎ感などを指摘する声は弱い。


<売買テーマが定まらず>
産地では良好な気象環境を背景に安定した集荷量が確保される一方、タイ南部などではゴム相場の低迷を受けて政府に市況対策を求める動きが活発化するなど、強弱材料が交錯した状態にある。現時点では明確な市況対策の動きは確認できず、タイ政府がソフトローン提供や補助金交付などで、天然ゴム農家の経営を支援している程度である。ただ、コスト環境の限界も意識される中、良好な集荷環境に上値が圧迫される一方で、市況対策への警戒感から下値がサポートされる状況になっている。当限の上値の重さからはやや戻り売り対応に妙味があると考えているが、中国コモディティ市場全体の地合改善からは、大きな値下がりまでは要求されていない。このままボックス気味の展開を消化しつつ、相場テーマの設定待ちの時間帯が続こう。




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【トウモロコシ】 高値波乱の展開に、揺れる天候リスクの評価
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<急伸後に急落>
CBOTトウモロコシ先物相場は、1Bu=417.25セントまで上値を切り上げた後、380セント台まで急反落する波乱の展開になった。穀倉地帯のホット・アンド・ドライ(高温乾燥)による作柄悪化懸念を織り込む形で急伸地合を形成してきたが、7月13日の取引で翌週のホット・アンド・ドライ緩和予報が伝わると、パニック的な急落地合を形成している。高値で農家の在庫売却拡大が報告されていたこともあり、早めに利食い売りを進める動きが目立った。しかし、翌14日の取引では値ごろ感から押し目買いが膨らむなど、明確な方向性を打ち出すには至らなかった。


<作柄悪化は続く>
引き続き産地気象環境の評価が中心になるが、ホット・アンド・ドライが続いている時間帯は、上振れリスクを残すことになる。400セント台乗せでは、値ごろ感から農家が手元在庫売却の動きを活発化せるような動きも報告されているが、作柄悪化リスクの織り込みが一巡するまでは、上振れリスクを残そう。米農務省(USDA)発表のクロップ・プログレスによると、7月9日時点ではシルキング進捗率が前週比9%上昇の19%(前年同期30%、平年27%)となっており、本格的な受粉シーズンを迎えていることが確認できる。一方、作況報告で「良」以上の比率は前週の68%から65%まで低下しており、「ホット・アンド・ドライ→作柄悪化」の流れが明確に確認できる状況にある。


<天候リスク解消は時期尚早か>
ただ、実際のイールドが確定するには多くの時間が必要であり、当面は気象環境(見通し)に沿った「天候相場」が続くことになる。7月13日の取引では熱波が緩むとの予報だけで前日比15.75セント安の急落地合が形成されており、今後も気象環境の変化には十分な注意が要求される。基本的には、受粉期という最も天候リスクに敏感な時期に差し掛かっていること、7月中旬で更にホット・アンド・ドライ傾向が強まり易い季節要因からは、押し目買い対応に優位性があると考えている。ただ、一旦パニック的な急落地合が発生すると、マーケットでは同様の相場展開を警戒して早めに利食い売りに動く向きも増える可能性が高く、従来よりも高めのボラティリティを想定しておく必要がある。現在の気象見通しからは買い対応で問題ないと考えているが、気象環境の変化に対しては柔軟な対応が求められる。降雨が続くようなことがあれば、もう一段階の下げを迫られる可能性も残されている。


<USDA報告はイールド修正を見送り>
なお、7月12日にはUSDAの7月需給報告が公表された。2017/18年度の米期末在庫見通しは前月の21.10億Buから23.25億Buまで上方修正されている。主に四半期在庫(6月1日時点)の数値を受けて旧穀の在庫見通しが引き上げられた影響だが、今報告ではイールド見通しが据え置かれたことが、マーケットの失望売りを誘った。現在の作況報告の数値などからは、トレンドイールドからの下方修正も想定されていたが、USDAは今報告でもトレンドイールドをそのまま採用したと報告している。




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【大豆】 高値波乱の展開に、天候リスクと過熱感の綱引き
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<高値更新後に荒れた展開に>
CBOT大豆先物相場は、1Bu=1,047.00セントまで急伸した後、一時980セント台まで急反落した後、再び1,000セント台を回復する荒れた相場展開になった。産地のホット・アンド・ドライ(高温乾燥)傾向を手掛かりに上値を切り上げ、3月上旬以来の高値を更新した。しかし、7月13日の取引時間中に翌週にはホット・アンド・ドライが緩むとの予報が伝わったことで、同日の取引では前日比46.50セント安の急落になった。もっとも、その後は値ごろ買いが下値を支えたことで本格的な値崩れには発展していない。


<産地気象環境に一喜一憂>
引き続き最大の焦点になるのは、ホット・アンド・ドライによる作柄環境への脅威が上昇するのか低下するのかの一点である。米農務省(USDA)によると、7月9日時点では開花進捗率が前週比16%上昇の34%(前年同期37%、平年32%)、着サヤ進捗率が7%(前年同期6%、平年5%)となっており、現在は受粉シーズンのピークに差し掛かりつつある状況である。この時期の天候障害で受粉障害が発生すると、イールド見通しが大きな修正を迫られる可能性もあり、作付け期と並んで産地気象環境に対して高いレベルの警戒感が要求される時間帯になる。基本的にはホット・アンド・ドライ傾向が相場を押し上げる展開は続く見通しだが、13日の取引で突然に急落したように、産地気象環境や見通しの変化によっては、大豆相場の地合も瞬時に変わる可能性を想定しておく必要がある。あくまでも「天候相場」であり、気象環境・見通しの変化には柔軟に対応したい。仮に一定量の降水量が断続的に確保され、熱波が緩むようであれば、もう一段階の調整リスクも想定しておく必要がある。


<作柄、土壌水分環境の悪化は続く>
作況報告で「良」以上の比率は、前週の64%から62%まで低下した。前年同期の71%を大きく下回っており、厳しい作柄環境が維持されていることが確認できる。表層土の土壌水分で不足が報告されている比率は、前週の32%から47%まで上昇している。厳しいホット・アンド・ドライが干ばつ被害を深刻化させ、作柄環境の悪化を促す流れが明確に確認できる。まだ受粉期が終わるまでは多くの時間が必要なことを考慮すれば、改めて直近高値を上抜く可能性も完全に排除すべきではないだろう。13日に急落を経験したことで、先行して利食い売りが広がった小麦相場と同様に不安定な値動きになり易いが、ホット・アンド・ドライ環境が維持されている限りにおいては、押し目買い対応が基本になる。


<USDA7月報告はイールド見通しを据え置き>
なお、USDA発表の7月需給報告では、2017/18年度の米期末在庫見通しは前月の4.95億Buから4.60億Buまで下方修正された。四半期在庫(6月1日時点)の数値を受けて旧穀の在庫見通しが引き下げられた影響である。ただ、今報告ではイールドがトレンドイールドで維持されているだけに、8月報告で作柄環境の悪化が反映されると、16/17年度比での在庫積み増しが殆ど進まない可能性も浮上することになる。




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【小麦】 作柄悪化でも、上値追いに慎重
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<他穀物相場につれ安>
CBOT小麦先物相場は、1Bu=550セント水準での保ち合いを経て、510セント水準まで軟化する展開になった。ホット・アンド・ドライ(高温乾燥)への警戒感から高値圏での取引が続いていたが、7月13日の取引で改めて利食い売りが膨らみ、水準を切り下げている。春小麦の厳しい作柄環境は維持されているが、翌週にホット・アンド・ドライが緩むとの予報も伝わったことで、短期筋が当面の利益確定に動いている。


<作柄悪化続くも、上昇力は鈍る>
米農務省(USDA)の作況報告によると、7月9日時点で春小麦の「良」以上の比率は前週の37%から35%まで低下している。厳しい熱波で出穂後の成熟環境に逆風が吹いていることが確認できる。乾燥した天候は冬小麦の収穫作業にとってはポジティブだが、春小麦の生産高見通しが下方修正を迫られるリスクに対しては高いレベルの警戒感が求められる。他穀物相場も波乱の展開になっているために、小麦相場の地合も不安定化し易いが、産地気象環境はまだ本格的な調整売り圧力までもは要請していない。一方、USDA7月需給報告では2017/18年度の米国産期末在庫見通しが前月の9.24億Buから9.38億Buまで引き上げられた。主に旧穀の在庫見通し引き上げを反映したものだが、今報告では輸出需要見通しも下方修正されており、欧州産の生産不要による米国産需要拡大の思惑を裏付ける数値にならなかったこともネガティブである。




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【コメ】 低価格米主導の上昇続く
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<じり高の展開が続く>
新潟産コシヒカリ先物相場は、1俵(60kg)=1万4,000円台後半で底固い展開になった。需給環境に対する評価が改善する中、じり高の展開になっている。何か新潟産コシヒカリの生産にトラブルが発生している訳ではないが、コメ需給全体の引き締まりが意識される中、じり高傾向が維持されている。


<生産環境は良好だが>
新潟県農林水産部によると、今季の出穂は前年よりも5日、平年よりも2日程度遅れる見通しになっている。ただ、草丈は並、茎数はやや多いなど、特に供給懸念が高まる状況にはない。今年は梅雨の降水量が例年と比較して抑制されたが、水不足の懸念が高まるまでの状況にはなく、特に供給環境のリスクプレミアムを織り込む必要性は高まっていない。ただ、低価格米の調達環境が厳しさを増す中、これまで需要低迷に苦しんでいた新潟産コシヒカリに関しても価格上昇の余地が浮上している。このまま低価格米の緩やかな上昇傾向が続けば、ブランド米の割高感が緩和されることになり、若干の相場上昇余地が認められることになる。急伸するような必要性は認められないが、1万5,000円の大台回復が打診される。なお、大阪堂島商品取引所は7月11日、試験上場中のコメ先物について、本上場への移行認可申請を行った。農林水産省は8月7日までにその可否を決定することになる。




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【砂糖】 レアル高一服なら軟化する
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<保ち合い気味の展開が続く>
ICE砂糖先物相場は、1ポンド=13セント台後半から14セント台前半で揉み合う展開が続いている。ブラジルの良好な生産環境、インドの輸入関税引き上げで国際需給の緩みが警戒される中、一時は13.21セントまで下落した。しかし、その後はブラジル通貨レアルの急伸に下値を支えられ、改めて14セント台を回復するなど明確な方向性を打ち出せていない。根強い需給緩和への警戒感が上値を圧迫し続けているが、通貨環境の変化が下値をサポートする動きが強まり、強弱感が交錯している。


<需給で売り、為替で買い>
インド政府は7月10日、砂糖の輸入税を従来の40%から50%まで引き上げると発表した。これによってインド国内の砂糖価格は上昇するが、国際市場ではインド向け需要が喪失されることになり、需給緩和リスクが高まることがネガティブ材料と評価されている。ブラジル中南部の6月下旬の砂糖生産高が、上旬の237.9万とンから297.2万トンまで上振れしたこともネガティブである。ただ、ブラジルでは労働規制改革法が議会を通過する一方、ルラ元大統領が収賄で有罪判決を受けるなど、政治リスクの後退がレアル相場のリバウンドを促している。レアル相場と砂糖相場の間には強い相関があり、レアル高が続いている間は若干の上振れリスクを想定しておく必要がある。ただ、砂糖需給からは上値追いに慎重姿勢が強く、レアル相場が落ち着きを取り戻せば、徐々に戻り売り優勢の地合に回帰する見通し。




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【コーヒー】 ロブスタ堅調なら一段高へ
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<底固さを再確認>
ICEコーヒー先物相場は、1ポンド=120セント台後半で戻り売り優勢の展開になった後、130セント台前半までリバウンドする展開になった。5月31日以来の高値更新に成功している。ロンドン・ロブスタコーヒー相場の下げ止まりが好感されている。また、ブラジルの集荷がやや遅れがちな一方で、予想されていた収量を下回るとの観測が急浮上していることも、下値をサポートしている。ブラジル通貨レアルが対ドルでリバウンドしていることもポジティブである。


<ブラジル産に供給懸念が浮上>
サフラス・メルカドによると、ブラジルのコーヒー収穫進捗率は7月11日時点で56%となっており、前値同期の58%を下回っている。降霜被害は発生していないが、やや雨がちな天候が続く中、収穫の遅れに加えて品質悪化懸念も浮上している。このタイミングでロブスタの調整売りが一巡する中、ロブスタとの比較で値ごろ感のあるアラビカも下げ止まっている。このままロブスタが改めて地合を引き締めれば、アラビカに関しても若干の上昇余地が認められることになる。特にレアル相場の堅調地合が続いている間は、需給緩和圧力が強い砂糖相場でさえも買われ易く、需給要因の支援があるコーヒー相場においては、短期筋のショートカバー(買い戻し)や押し目買いが本格化す可能性もあろう。130セント割れについては、値ごろ感のある価格水準とのコンセンサスが形成されつつある。




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【発行者情報】
マーケットエッジ株式会社
代表取締役 小菅 努

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7月22日 (土)
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