依存する企業に無駄で不効率な作業を与えているExcelの功罪

 マイクロソフトのExcelは、表やグラフを簡単に作れたりする上に、関数やマクロ(VBA)を駆使すればかなり高度なことができます。ところがExcelは社内のデータベースを構築するのには向いていないソフトであり、Excelを多用する会社に無駄を生み出します。バックオフィスのクラウド化は多くの企業にとって喫緊の課題です。

Excelの頻繁な使用が会社に無駄を生んでいる


 皆さんの会社でも、Excelをきっとお使いのことでしょう。

 マイクロソフト社が開発した最高傑作として、Excelをあげる人も多いぐらいよく出来たソフトウェアです。

 表やグラフを簡単に作れたりする上に、関数やマクロ(VBA)を駆使すればかなり高度なことができます。

 オフィスの他のソフトである、WordやPowerPointと比べても、ビジネスの現場における使用頻度は圧倒的だと思います。

 しかし便利なソフトであるがゆえに、何でもかんでもExcelでやってしまっている企業をよく見ます。

 営業の計数管理、経理のデータ整理、社員のデータ管理など、その用途は様々なのですが、高度なことをやろうとすればするほど、会社の業務全体として見ると、非効率になっていることが少なくありません。

 これを私は「Excelの功罪」と呼んでいます。

Excelはデータベースの構築に全く向いていない


 Excelをが最も適しているのは「点」での計算や分析です。

 今年度の売上分析、残業時間の集計など、今あるデータの束を集計・分析することに関して、Excelは非常に長けています。

 もともとそういう意図で作られてソフトですが、高度な機能がどんどん追加されてきたので、あたかもデータベースのように使うことも出来てしまいます。

 しかし、それはExcelが得意なことではありません。

 大量のデータをサッと抽出して、集計するのが1回だけであればExcelでもいいかもしれませんが、それを毎月・毎週・毎日と繰り返す必要がある場合は、データベースをきちんと用意した方が、圧倒的に効率的でコストパフォーマンスがいいのです。

 Excelを使えばもちろんできますが、はっきり言ってその作業をしている人の時間と人件費が無駄ですし、ミスをする可能性も多くなります。

 AIやロボットなどの台頭により、これから"作業"を人がやる意味がどんどん無くなる時代において、Excelでやろうとするがゆえに、作業を作り出してしまっては本末転倒です。

 人間の貴重な時間は、もっとクリエイティブなことに使われるべきです。

社内のデータベースはクラウド管理に移行せよ


 一昔前では、データベースを構築する際にはサーバーを用意して、それを繋ぐソフトを構築して・・・という風に膨大な費用と時間がかかりました。

 しかし現在では、クラウドが普及したことにより、月額数千円から自社用のデーターベースを構築し、活用することができます。

 大量なデータをため込んで活用するためには、それ専用の仕組みを持つことが必須ですし、それが安価で簡単にできるようになっています。

 Excelはとてもよく出来たソフトだと思いますが、データベースを構築するためのソフトではありません。

 セキュリティ面を考えても、クラウドのサービスを使った方が圧倒的にいいでしょう。

 営業管理に使うのであれば、SFA(Sales Force Automation)と呼ばれるカテゴリーのサービスがオススメです。

 ピンからキリまでありますので、色々と調べた上で、ぜひ導入を検討してみてください。

Photo credit: Till Zoltán via Visual Hunt / CC BY-SA(執筆者:ショーン)

【関連記事】