豊胸・痩身サプリで(株)ミーロードの広告に消費者庁がNOを突きつける

 女性の美しくなりたいという願望(豊胸・痩身)に対して、何の根拠も無く「Gカップでも 57.8kg→47kg -10.8kg」などの謳い文句で広告を表示していた(株)ミーロードのサプリ「B-UP」に、消費者庁は景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。しかも同社の事後対応も不誠実なものでした。消費者に対して誠意をもって向き合う姿勢を見直すべきでしょう。

ミーロードの豊胸・痩身サプリが優良誤認表示でアウト


 3月30日、消費者庁は東京都江東区の健康食料販売業者(株)ミーロードに対し、「B-UP」と称する食品に関する表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。

 参考リンク:株式会社ミーロードに対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁 平成29年3月30日)

 優良誤認は不実証広告規制を用いた処分となっています。

 不実証広告規制とは、景品表示法7条2項に基づく規定であり、消費者庁長官が、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができるものです。

 万が一、事業者が資料を提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされます。

 本稿では、ミーロードの「B-UP」がなぜ優良誤認とみなされたのか、その後の同社対応についてご紹介します。

ミーロードの広告はどこが優良誤認とみなされたのか?


 以下、本案件をまとめてみます。

【表示媒体・期間】


 自社ウェブサイトで、遅くとも平成28年1月1日~同年12月8日までの間に行われた。

【違反内容】


 表示内容について、あたかも、対象商品を摂取するだけで豊胸効果が得られるとともに、痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。

 表示例

 「バストUPとスリムUPを同時にかなえるスタイルUPサプリの決定版!」

 「今までの『プエラリア』では満足できなかったアナタヘ・・・」と題し、バストの下部に手を添えたポーズの女性の画像と共に、

 「魅惑的なメリハリBodyに・・・」と、余裕のあるぶかぶかの短パンをはきお腹周りを指差している女性の画像と共に、「キュッ!」「見てください! こんなブカブカに!」と、「Gカップでも 57.8kg→47kg -10.8kg」、「女子力UPに胸ふくらむ!!」と記載。

節約社長
株式会社ミーロードに対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁 平成29年3月30日)

節約社長
株式会社ミーロードに対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁 平成29年3月30日)

 実際

 当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。

 しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。

 同社は3月30日に自社サイトに、「消費者庁からの措置命令に関するお詫びとお知らせ」と題した謝罪文を一旦掲載しました。

 ところで、措置命令では、一般消費者に対して問題となった表示が優良誤認となる不当表示であったことを速やかに周知徹底することを命じています。

 しかしながら、3月30日に掲載された謝罪文の掲載箇所は、通販サイトのトップページではなく2階層目からのリンクとなっており、一般消費者の目に留まりにくい掲示となっていました。

 また、謝罪文においては、単に措置命令を受けた報告のみで、不当表示の内容説明が全くなされていませんでした。

節約社長
オーガニックレーベル《公式》サプリメント、化粧品通販 消費者庁からの措置命令に関するお詫びとお知らせ(2017年3月30日キャプチャ)

 その後4月6日に謝罪文の掲載が、通販サイトのトップページの新着ニュースからのリンクに変更され、謝罪文の内容についても、違反となった表示内容の説明も追加されています。

節約社長
オーガニックレーベル《公式》サプリメント、化粧品通販 消費者庁からの措置命令に関するお詫びとお知らせ(2017年4月6日)

 これは、消費者庁の指導により修正されたことが推察されます。

優良誤認以外に薬機法に抵触する表示も散見


 同社サイトには、表示例以外にも
  • 「効果がなければ全額返金します」
  • お客様の声「2サイズアップしました!」「くびれも出現!」
  • 成分の説明「ドイツでは医薬品として販売されています」
 等の薬機法にも抵触するおそれのある表示が見られました。

 措置命令では、一般消費者に対して問題となった表示が優良誤認となる不当表示であったことを速やかに周知徹底することを命じています。

 今回の件を機に、更なる優良誤認を生じない適切な広告表示のルールが、一般社会に浸透することを願っております。(執筆者:久保 京子)

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