1986年に海外と日本国内でそれぞれ100万円ずつ投じたら30年後は何倍?

 日経平均株価がバブル景気崩壊後の最高値を更新し続けています。一方で、外国株に30年間投資を続けていた場合、その成果はどうなっていたのでしょう?日本株の株価指標としてTOPIX、外国株の株価指標としてMSCIコクサイを使用して比較すると、両者の雲泥の差が見えてきます。

日経平均株価がバブル景気崩壊後の最高値を更新


 11月に入ってからも、日経平均株価がバブル景気崩壊後の最高値を更新し続けています。

 少し上昇のピッチが速すぎる気もしますが、今回の株高は企業業績を伴った上昇ですので、大方の予想としては今後も当面は上昇が見込まれています。

 さて、今回は外国株に30年間投資を続けていた場合、その成果はどうなっていたのか?について、過去の実績にもとづいてご紹介したいと思います。

 タラレバと言わず、少しだけお付き合いください。

1986年に海外と日本国内でそれぞれ100万円ずつ投じたら30年後は何倍?


 下の表は、外国株と日本株の1986年7月から2016年7月までの30年間の運用成績を比較したものです。

節約社長

 日本株の株価指標としてはTOPIX(※1)を、外国株の株価指標としてはMSCIコクサイ(※2)を使用しています。

 ご覧のとおり外国株が30年間の間に約9倍に増えているのに対し、日本株の上昇は1.3倍に留まっています。

 同じ100万円を1986年にそれぞれ投資したなら、外国株は900万円の資産価値となっているのに対して、日本株の場合は130万円程度にしかならない計算です。

 日本は、この30年の間にバブルの崩壊や長引くデフレの影響もあってなかなかGDPが伸びず、株価もそれほど上がらなかったものと考えられます。

 一方で、相対的に人口が増加している国やGDPの伸びが高い国は、株価も堅調に値上がりしています。

統計を見る限り海外への国際分散投資が有効


 資産運用は「分散投資」が基本です。

 「怪しい」「危険」「詐欺」など、海外投資については、まだまだネガティブなイメージを待たれる方が多いかもしれません。

 しかし、そもそも国内であろうが、海外であろうが、投資にリスクは付きものです。

 ここ数カ月は日本株の上昇が目立っていますが、この統計を見る限りは日本国内だけで資産運用するよりも、海外資産も含めた国際分散投資が有効であることが明らかなようです。

※1 MSCIコクサイ:モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出し公表している国際的な株価指数で、日本を除く先進国22カ国の上場企業の株式指数で構成されたもの

※2 TOPIX:東京証券取引所第一部に上場されている全銘柄を対象に時価総額を指数として算出されたもの(執筆者:永柄 正智)

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