15年間で1.3万台の車を販売した伝説の営業マン、ジョー・ジラードに学ぶ営業の極意
1日で販売した車の最高台数は18台、更に15年間で販売した車の台数はなんと13,000台!アメリカで販売の神様と呼ばれる、伝説の営業マンと言えばジョー・ジラードです。ただ、彼がこれほどの偉業を達成するためにやったことはとても簡単で、全てのお客様に対して「好きです。」と伝え続けただけでした。「好きです」という言葉がなぜこれほど影響力を持つのか解説します。
顧客データを作らない・活用しないことの代償
いきなりですが、今日は大変残念な現実から話さねばなりません。
中小企業の多くは顧客リストを使っておらず、整理すらしていません。というか、顧客リストを作っていない会社が多いですよね(笑)。
はっきり言うと、大抵こういう会社は、お客様のことをデータとしてしか見ていないことが多かったりします。
商品さえ渡せばお金を渡してくれる、自動販売機やATMとしてしか見ていない傾向があります。
しかし、こういう売り手は悲しいかな、お客様からも同じように扱われます。自分たちより少し良い売り手がいれば、顧客はそのライバルのもとへすぐに行ってしまいます。「さよなら」の一言も無しにです。
今日は、「伝説の営業マン」と呼ばれた男の営業テクニックをご紹介します。
伝説の営業マンジョー・ジラードが顧客リストを作ってやったこと
アメリカでは販売の神様と呼ばれている伝説の営業マンがいます。ジョー・ジラードです。
彼は自動車の営業マンで、その営業成績は、
- 15年間で販売した車の台数:13,000台
- 1日で販売した車の最高台数:18台
おそらく、自動車販売店でもこんな数字を叩き出すことは難しいでしょう。
では、ジラードが何をやったのかといえば、実はとても簡単なことしかやっていません。
彼は顧客リストに書き記されているお客様に対して、ひたすら「好きです」と言い続けたんです。
伝説の営業マンは、ちょっとしたダイレクトメールやクリスマスカードを、全ての顧客や見込み客に出し続けて、メッセージの最後には必ず自筆で、“Best Wishes.”、つまり「これからもよろしくね」と書きました。
ジラードはこれをずっと、ずーっと続けることによって、絶えることなく彼から車を購入する顧客を生み出したのです。
継続して発信される私達の好意は顧客の信頼につながる
「好意」というのは、物凄く単純でありながら、僕達の心を支配する影響力の大きな心理トリガーです。
僕達がモノを買う時を思い出してください。お店のマスターがかっこよい人だから、接客が丁寧だから、そのブランドが好きだから商品やサービスを購入することがどれだけ多いことか。
好きだったら、ちょっとした価格差とか全く関係なくなりますよね。好きという気持ちは消費行動にとても大きな影響を与えるのです。
人というのは自分に好意を持ってくれている相手のことを信頼するようにできています。
ジラードは、自分の方から「好きです」という意思表示を出し続けました。しかも、最後に一行だけ手書きのメッセージを添えて。これもミソです。
ジラードが活躍したのは1960年代〜70年代のことで、たしかに時代背景は多少違うところもありますが、人の捉え方や感情は普遍的です。
あなたは顧客リストを作成していますか?もし無いならば、今すぐに顧客リストを作成しましょう。
もし顧客リストがあっても活用していないなら、今すぐ、顧客リストに掲載された顧客や見込み客に、それぞれの方にあったメッセージを継続して出し続けられるよう整理してください。
(執筆者:高橋 伸夫)