自分にとって望ましくない嫌な客は最初から断ると決めて良いか?

 自分たちの価値観や商品に合わない客は最初から断りたい、これは商売をやっている方なら誰もが思うことです。一方で、顧客の選別基準を考える時は、単純に「〜な人に今持っている商品を売る」と考えたのでは、木を見て森を見ず状態になってしまいます。なぜなら、マーケティングとはシステムであって、全ての行程が一気通貫していなければ、顧客に反応してもらえなくなるからです。

やる気が下がる客は最初から断って良いか?


 「やる気が下がるような客を最初から断りたいのですが、高橋さんはどう思いますか?」

 昨日、僕の集客支援プログラムに参加する、あるメンバーさんからこんな相談をいただきました。

  「理想の顧客」を生み出すために集客の段階からお客様を選別する。

 これは実際にとても重要なことです。

 あの神田昌典さんも、こう言っています。

  「喉から手が出るほど欲しい売上でも、グッと我慢して断るべき時は断る」

 集客段階の選別基準を決めるのはとてもとても重要なこと。

 ただし、この段階で絶対に忘れてはいけないことがあります。

ターゲット選定は木を見て森を見ずではダメ


 集客段階の選別基準を決める時に忘れてはいけないこと、それは「木を見て森を見ずになってはいけない」ということです。

 マーケティングというのはシステムであって、ターゲット、商品、価格設定、競合、タイミング、メッセージ、メディア、色んな要素のバランスで成果が決まるようになっています。

 ですから、一部を変更したら全体に影響が出ることを忘れてはいけないのです。

 ところが僕達は、「このブログの記事はありなのか?」「このフェイスブックは成果が出るのか?」「このチラシのデザインはありか?」なんて感じで、部分的にしか考えないことが多いものです。

 しかし、部分を変える時には全体を考えた上で、その部分を変えなければ上手くいかなくなります。

 特に、今回ご相談をいただいたような、入り口の顧客選別基準を変える場合、ビジネスプラン全体に影響を与えることを忘れてはなりません。

 極端な例かもしれませんが、英語を教えるビジネスでターゲット設定を、「小学生以下のお子様のための英会話」と設定していたのを、「グローバル・ビジネスを展開するビジネスマンのための」と変更すれば、商品が変わり、広告も変わるはずです。

 入り口のターゲット・商品・広告は、絶対に一気通貫していなければ、誰にも反応してもらえず、ちっともビジネスとして成り立たなくなります。

これから始めるのか?既に走っているのか?で顧客選別のやり方は変わる


 何かを変えようとする場合は、部分最適が全体最適となるかを必ずチェックする必要があります。

 僕達は絶対に木を見て森を見ずになってはいけません。

 以前、【本質論】「なんでターゲットを絞らなければいけないの?」3つの理由という記事でもお伝えしたように、ターゲット選定はその後のビジネスに大きな影響を与えます。

 嫌な顧客が最初から入らないように、ターゲット選定を行い、ペルソナを明確にし、これに合った広告を作り、ターゲットが喜ぶであろう商品を用意する必要があります。

 もし、すでにビジネスを始めていて、嫌な顧客があなたのところへ来るようだったら、それは入り口のターゲット選定ミスです。

 しかし、すでに走り始めたビジネスをいきなり急ストップすることは、よほどの体力が無ければ不可能でしょう。

 この場合は、ターゲットを明確に変えた広告を打ちながら、商品も新しいターゲットに合うものを用意(改変)し、漸次的に顧客を入れ替えていく必要があります。


 
(執筆者:高橋 伸夫)

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