「好きなことで生きていく」は本当に可能?天職は行動が生む“偶然の産物”だよ〜

 多くの人が理想としていながら、現実には無理だと考える「好きなことで生きていく」という働き方。実際、やりたいことをやろうと思ったら、まずはお金が何にも勝りかかるため、一旦は「お金を稼ぐこと」と「大好きなこと」を分けなければならない時期もあります。しかし、ひたすら行動していれば、やがて「好きな仕事」が見つかり、それが天職となっていきます。キミアキ先生の解説です。

「好きなことで生きていく!」って難しい!


 今日は大好きなことを仕事にすることは可能なのか〜?!というテーマでお話しします。

 自分は大好きなことがある、例えばゲームに熱中しているうちの子たちは、やっぱりゲーム実況のユーチューバーたちがすごく憧れでして「あれいいな〜」っていつも言っています。

 でもね、そういうのを掴み取れるかとなると、なかなか狭き門でしてね。

 以前、ユーチューバーの皆さんも「好きなことで生きていく!」ってやってましたけれど、これなかなか難しいんですよ!


 

 といいますのも、会計事務所で人のお金を色々と扱っていると分かるんですが、人が何かしらを始めるときには活動資金が必要で、大好きなことをやるにも関わらず、どうしてもお金が必要になってしまう。

 それもひとりぽっちでできるように思えても、より大きな事をやろうとすると、色んな人の手助けを受けなければいけません。

 その手助けを考えて、その人たちの生活もありますからねってなると、結構な活動資金が必要になってくるわけでございます。

世知辛い話だけれどお金がやっぱり先立つ


 これを普通の商売にも置きかえてみたんですけれど、正社員さん1人あたり年間の粗利益はだいたい1千万円くらい必要です。

 粗利益とは要するに原価を引いた分ですね。

 業種によって原価は随分違うんですけれど、原価がほとんどかからないのは美容師さんとかね、それから整体師さんとかは売上げイコール粗利益という感じです。

 年間の粗利益が1千万円くらいあれば、商売でもそれから芸能活動でも大体は続けていけるというのが、ひとつの目安でございましてね。

 粗利益をこれだけ稼いでいてくれると必ず黒字化できます。

 黒字になるっていうことは、また来年も活動を続けられるっていうことです。

 本当に世知辛い話ですけれども、現金がね…おカネっていうものがどうしても必要だよねって話です。

「お金を稼ぐこと」と「大好きなこと」を分ける時期がある


 そうすると、どこかで「お金を稼ぐこと」と、「大好きなこと」を分けなきゃいけない時があるんですね。

 どうしても活動資金のお金が必要だと。

 だから、稼げる部分と本当に自分がやりたいことをやるという部分と分けて、それから時期が前後する場合もあります。

 まずは稼ぐことを中心にして基板を作って、そして稼げるようになった後に大好きなことをする。

 これは芸能活動とかしている方なんか見ているとわかりますよね。

 まずは稼いでそして基板をつくらなきゃいけない。

 それができた後に自分が本当にやりたかったことをやる!っていうことが結構あるように、これは商売人も似たようなことがあって、通じるものがありますね。

稼いだらどうせ妬まれる。だから黙って稼ぐ人もいる。


 では、実際に稼ぐこともできて、そして大好きなこともできる…つまり仕事ですね。

 大好きなことを仕事にすると、妬まれます。

 今のユーチューバーの方がそうなように本当に妬まれるモンなんですよ、世の中ってのは。

 みなさん本当にめちゃくちゃ努力しているんですよ。

 でも、めちゃくちゃ努力しても、そんなの関係ないですよ。「好き放題やって楽して金稼いでる」みたいに言われて絶対に妬まれます。

 その時のこの人たちがやってきた努力って、全く無視される。

 ですから、大好きなことを仕事にすると、これまでの努力もへったくれもなく妬まれる!と思った方が良いですね。

 そして世の中の一般的な考えというのは、仕事とか勉強っていうのは、本当に辛くて辛くて苦しくて苦しくて堪らないっていうね。

 お金を稼ぐということ・給料をもらうことというのは、お金は苦しみから生まれるものである!!みたいな感じなんです。

 世の中って、こういうふうな定義付けにしておいた方が都合が良い人たちがいっぱいいるわけですよ(笑)。

 本人たちもそう思っているし。

 ところがね、これ東京ではあまり通用しない。

 っていうのは、東京というのは不動産の街で、賃貸用のアパート・マンションをただ単に相続しただけの人ってたっくさんいるんですよ。

 その人たちって働かなくても良いんですね!

 だから仕事っていうのは「今は勤めに出ているけれど、いつでも辞めちゃって良いや。別に家賃収入入ってくるし。」って。

 ですから、辛くて苦しくてってあんまり考えないです。だって辞めちゃえば良いんだから。

 ところが、世の中の世間一般の考えがこうだから、家賃収入が入ってきている人たちも、「やっぱりお金を稼ぐのって大変だよねぇ」みたいなフリをしている(笑)。

 いいですか〜?これが現実なんですよ!

最初はお金目的で仕事してたけど…偶然見つけた楽しい仕事


 私も労働者だったので「持たざる者」でね、田舎から出て来た労働者でしたが、偶然自分の仕事を好きになった。

 本当に偶然だったんです。ちなみに私は新卒で銀座の会計事務所に入って…就職に失敗しております。

 その後、簿記の能力を活かして簿記の先生になりました。先生になった目的は「お金」です。

 カネカネカネでね、生活するために1番給料が良かったのが講師だったからです。

 教壇に立ちたくて講師になったわけじゃないです(笑)。お金!ですよ〜。

 お金のために講師になって、最初はボコボコにされて。。

 「この仕事絶対向いてない…」って思いながらも続けていたら、意外と人に教えるっていうのは楽しいし、お金ももらえるんでね(笑)。

 これっていいな…!って偶然見つけて、その後も偶然見つけたのは、今度は社長さん方と経営の作戦…要するに赤字の会社を黒字化するにはどうしたら良いかとか、作戦を練るのが大好きになりました。

 ほとんどが業績の良くない会社さんだったんですが、彼らとどうやって良くしていくかっていう作戦を組むんです。

 1番大事なのは実務にどうやって落としていくか。というのも実務に落としていくとですね、だんだん社長の顔が表情がとても良くなってくるんです。

 ですからね、これがめちゃくちゃ楽しいんですよ。仕事してて。社長の表情がこんなに変わるんだ!これが会社の立て直しなんだ!とかね。

やがて仕事が好きになる〜天職は行動が生む偶然の産物


 そして今度は、人の会社じゃなくて自分の会社にやるようになります。

 自分が持ったチームで作戦を練って、実務に落として行って、そうするとね〜従業員さんの顔つきがガラッと変わってくる。

 こらぁ、めちゃくちゃ良い仕事やぞ!!みたいな感じでね。

 こういう形で本当に偶然でしてね。

 偶然見つけたにも関わらず、私がやったことは多分皆さんのやっていることと同じだと思うんですが、ただ単に何かしら行動しているんですよ。

 つまり、結局「天職」みたいなものっていうのは、何かしらムダな動きだったり行動をしていると、偶然そのタイミングがやってきた時に、なぜかそれを掴むことがある。

 掴むのはなぜかというと、やっぱり行動しているからだと思うんですね。

 ですから「自分探し」っていうのは、私は良いと思いますし、自分もただ単にお金のため、生活のためにやった仕事が天職になってきた。

 そして、めちゃくちゃ楽しい仕事になってきた。それだけのことなんです。

 最近は仕事が辛いと思ったことは…全くないです(笑)。

 楽しく仕事をしている人間のひとりとして、妬まれることもあるかもしれませんけれど、皆さんもぜひ!チャンスは行動によって掴んでくださいね。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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