ワールドカップやオリンピックは4年に1度だから価値がある希少性の使い方

 ワールドカップは4年に一度開催されるから、ダイヤモンドはそこら中に落ちているわけではないから、希少性の高いものとして多くの人からお金を支払ってもらえます。希少性の法則はこのように使い方を間違えなければビジネスを上手く活かしますが、使い方を間違えると信頼を無くしたり、売上を消滅させる元凶となってしまいます。

ワールドカップは4年に1回開催だから価値がある


 こんにちは、ブリッジワークの高橋です。今日は、『広告のある絶対法則の正しい使い方』についてお伝えしたいと思います。

 昨日、スタバでちょっと一休みしていた時の話なんですけれども、大学生らしきグループが、先日幕を閉じたワールドカップの事を話題にして、たいそう盛り上がっていました。

 「やっぱり今回はエムバペだろ!あいつやっぱりナンバーワンだよな。すげーよなー!でもなんでワールドカップって4年に1回なのかな?毎年、なんだったら1ヶ月に1回でもいいよね。」

 こんな事を話してたんですよね。

 これを聞いた時にね、僕は「それは違うな」って思っちゃったわけですよね。

 あのね、別にエムバペに異を唱えていたわけじゃないですよ。

 彼は凄いですよね。アルゼンチン戦で見せたあのPKを誘ったごぼう抜きのドリブル。


 


 あれには流石に僕も鳥肌が立ちましたよね。

 でもそこじゃない、そこじゃない。

 毎年、なんだったら1ヶ月に1回。ワールドカップが毎年だったら、1ヶ月に1回やっていたら、恐らく誰もあんなに興奮しないんですよね。

 ワールドカップもオリンピックも4年に1回だから価値があるという事なんですよ。

 例えば、ダイヤモンド。

 ダイヤモンドが小道のそこら中にゴロゴロ転がっていたら、誰が大切な人に贈ろうと思いますかね。

 桜が年がら年中咲いていたとしたら、誰がありがたがって花見とかやるでしょうか。やらないですよね。

 人は手に入れにくいもの。例えば、今しか手に入らない、今しか見ることが出来ないものに、もの凄い高い価値を感じてしまうんですよね。

『希少性』は私達の消費を換気する心理トリガー


 ワールドカップ、ダイヤモンドに共通しているもの、これは『希少性』です。

 そして、『希少性』は私達の消費を喚起する心理トリガーです。

 人は数が少ない・貴重な物・その時しか手に入らないものを、自然と欲しくなっちゃう傾向をもっています。

 例えば、ずーっと長い期間売っていたスナック菓子。

 そのスナック菓子がとうとう売れなくなってきて、生産中止になると知った途端に、それまでは売り場に行ったって見向きもしなかった人達が、ワーッとみんな売り場に殺到して、ヤフオクあたりだと数倍の値段で売れていたりするでしょ?

 この現象が生まれた理由は、「もう今買わないと手に入んない」という希少性が生まれたからです。

 希少性が付与されたからガーッと集まってくる。

 例えば、デパートの閉店セールも同じですよ。

 閉店が決まったからって、あんなに人が集まるんだったら、いつでも来てくれたら良かったのに!ってデパート側も思ってると思いますよ。

 いつも、これだけ人が来るんだったら、別に閉店なんかする必要なかったのになって。

 でも、閉店するから、もうここでモノを買えなくなるから人がガッと集まってくるわけですよね。

 例えば、Amazonで買い物をしていて、「もう残り3個限り!」なんて書いてあると、もう慌てて買っちゃう。

 こんな経験ありますよね。

 はい、希少性というのは、人の財布を開く凄いパワーがあるわけですよ。だから、これを僕達は使わない手はありませんよね。

 例えば、広告というのは、商品紹介だけでは広告と呼ばないんですね。

 広告というのは、オファー、取引の条件を提示して取引を迫る。これが広告の広告たる由縁ですよね。

 そのオファーに『希少性、限定性、締め切り』こういったものを必ず設けます。

 何故なら、それは人が財布を開きたくなる、強烈な心理トリガーだからなんですよね。

 この絶対法則を使わない手は有りませんよね。

かえって売れない〜希少性の間違った2つの使い方


 でもこの希少性、良くある間違いが二つあるんですね。

 一つは、『全く需要がないものに希少性を謳ってしまう』という大間違い。

 「この人気の商品を限定で少しお得な価格で出しましょうよ」なんて言うじゃないですか。

 そうすると、大体お店の人ってのは「いやいや、これは売れてるわけだから、ちょっと違った商品を安く出しますよ。」とか言って、日ごろ全く売れないような商品を「半額です」「三分の一です、」「何とかです」とか、「まとめて買うとお得です」みたいなことをやるんだけども、こんなことをやったって意味ないですよね。

 だって、誰も欲しがっていないものを半額にしたところで「ふーん」って感じじゃないですか。

 基本は皆が欲しがっている「あ、これいいな」っていうものを、限定するから希少性が生まれるわけですよね。

 そしてもう一つは、『希少性の使い過ぎ』。これ最悪なんですよね。

 これをやっちゃった反面教師が、あのミスタードーナツですね。

 これは皆さんご存知だと思うけども、100円セールの初期の頃のミスタードーナツといったら、凄かったですよね。

 たまたまうちも近くにミスドがあるんで、その光景を何度も目にしてましたけども、警備員の人が出て外でちゃんと人を整列させる必要があるくらい人が来てたんですね。

 セールを年に1回とか2回にしときゃよかったのに、売上がヘタに上がっちゃうもんだから、なんだかんだ理由をつけて100円セールをやりまくってしまったわけですよね。

 そうすると、100円って言うのが当たり前になっちゃって、最後にはもう100円じゃなきゃ売れないみたいな。

 これ下手するとビジネス滅ぼしますよね。

 『希少性』は、もうほんとに強烈な心理トリガーです。

 でも、強烈だからこそ、僕達は使い方を気を付けなければいけない。

 例えばお店で「タイムバーゲンです!」とかって言うのは良いことだし、お客さんが幸せになるのはいいんだけども、そんな時に例えばガラクタを売っちゃおうとか、そういう人間が中にはいるからね。

 やっぱり、こうタイムバーゲンで「今だったらこの時間帯だけ半額!」とかって言うと、ついつい買っちゃう人っていますからね。

 こういう使い方をするのも、絶対に希少性の使い方としては間違っていますよね。

 希少性を使うなら、必ず皆が一定の「欲しい」と思っているものに希少性を謳う事。

 そして、希少性は使い過ぎちゃうと本当に中毒。取り扱いには十分注意してください!というお話でした。


 
(執筆者:高橋 伸夫)

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