2017年10月25日 14:32
党大会後の中国景気
2017/10/24
今年、中国では国を挙げて景気対策が実施された。これは、人事が刷新される5年に1度の共産党大会に合わせ、好景気を創り出すためである。インフラ投資を中心とした景気刺激を繰り返し、目先の成長に悪影響を及ぼす構造改革は極力先送り、金融市場の安定のために規制を強化した甲斐あって、党大会で報告された7-9月期のGDPは前年比6.8%と、政府目標の6.5%を上回る高い伸びを達成することとなった。折しも海外景気も好調であり、中国経済は堅調に推移している。
しかし、その共産党大会は10月24日に閉幕した。「兎にも角にも景気優先」の季節は終わり、いよいよ過剰なレバレッジや不動産対策、環境問題など長期的な課題への取り組みが本格化されるとの声もある。それに伴い、景気の急減速を懸念する向きもあるようだ。ただ、政権運営にとっても最も重要なのは、常に景気の安定である。党大会が終われども、景気失速回避が最重要課題であることに変わりはない。足元の成長率が高いため、庶民の不満が強い不動産バブル対策や公害対策などの改革は多少進められると見られるが、景気減速が鮮明化してくれば、これらの改革も直ちに抑えられる公算が大きい。実際のところ、中国では過去に何度も不動産バブル対策が打ち出されてきたが、景気が減速を始めた途端に、骨抜きにされてきた経緯がある。今回は違うと言える理由は見当たらない。結局、党大会後も、景気を下押しするリスクを伴う構造改革は貫徹されず、インフラ投資による景気のサポートもある程度は続けられるのではないか。それ故、脆弱性を抱えつつも、中国経済は当面、堅調を維持すると見られる。
【クロワッサン】
今年、中国では国を挙げて景気対策が実施された。これは、人事が刷新される5年に1度の共産党大会に合わせ、好景気を創り出すためである。インフラ投資を中心とした景気刺激を繰り返し、目先の成長に悪影響を及ぼす構造改革は極力先送り、金融市場の安定のために規制を強化した甲斐あって、党大会で報告された7-9月期のGDPは前年比6.8%と、政府目標の6.5%を上回る高い伸びを達成することとなった。折しも海外景気も好調であり、中国経済は堅調に推移している。
しかし、その共産党大会は10月24日に閉幕した。「兎にも角にも景気優先」の季節は終わり、いよいよ過剰なレバレッジや不動産対策、環境問題など長期的な課題への取り組みが本格化されるとの声もある。それに伴い、景気の急減速を懸念する向きもあるようだ。ただ、政権運営にとっても最も重要なのは、常に景気の安定である。党大会が終われども、景気失速回避が最重要課題であることに変わりはない。足元の成長率が高いため、庶民の不満が強い不動産バブル対策や公害対策などの改革は多少進められると見られるが、景気減速が鮮明化してくれば、これらの改革も直ちに抑えられる公算が大きい。実際のところ、中国では過去に何度も不動産バブル対策が打ち出されてきたが、景気が減速を始めた途端に、骨抜きにされてきた経緯がある。今回は違うと言える理由は見当たらない。結局、党大会後も、景気を下押しするリスクを伴う構造改革は貫徹されず、インフラ投資による景気のサポートもある程度は続けられるのではないか。それ故、脆弱性を抱えつつも、中国経済は当面、堅調を維持すると見られる。
【クロワッサン】
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