iDeCoは現役時代にもメリットがある老後のための積立制度

iDeCo

皆さんは年金についてどのようなイメージを持たれているでしょうか?

おそらくほとんどの人が、年金はもらえない、損をするなどネガティブなイメージをもたれていることでしょう。

実際のところ日本の年金財政は少子高齢化の影響で、今後増々厳しくなると予想されています。

そのような不安な老後が迫る中、今私達にできることはないのでしょうか?

実は今、自分で老後資金を作ることができるお得な制度があるのです。

そこで今回の記事では、

  • 老後に備えて今できること
  • iDeCoの仕組み
  • iDeCoのメリット・デメリット
  • iDeCoに加入した方がいい人、しない方がいい人

以上についてお伝えしていきます。

この記事を読んで頂ければ、iDeCoの仕組みや特徴も理解でき、老後の不安を解消することができます。

ぜひ最後までご覧ください。

iDeCo(イデコ)とは?

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金とよばれ、私的年金の一種です。

日本の年金制度は3階建ての構造になっていると言われています。

1階部分:基礎年金
2階部分:厚生年金
3階部分:企業型確定拠出年金、確定給付年金

これらは雇用形態によって加入できる範囲が異なります。

・自営業者等:1階部分のみ
・会社員等:1階部分、2階部分(企業型確定拠出年金、確定給付年金がある勤め先であれば3階部分も加入可能)

つまり1階部分しか加入できない自営業者の方と、3階部分まで加入できる会社員の方では将来受け取れる年金額に大きく差が出てしまうのです。

そこで2018年1月、自分で行う年金作りの制度として、iDeCo(個人型確定拠出年金)が始まりました。

ちなみにiDeCoは銀行や証券会社などの金融機関から申し込みを行い、加入条件を満たしていれば誰でも加入することができます。

自分で老後資金をつくるための支援制度

iDeCoは自営業者の方や企業型確定拠出年金がない人のために作られた制度ですが、そもそもなぜ今このような制度ができたのでしょうか。

これには色々諸説がありますが、国が既存の年金制度では国民に安心して老後を迎えてもらうための年金を支給することが難しくなったから、とも言えます。

日本には生存権といわれる、「人間が人間らしく生きるのに必要な諸条件の確保を、国家に要求する権利」があります。

たとえば将来的に年金額だけでは生活することが難しくなり、生活が困窮した場合は生活保護という制度で国から生活費の支給を受けることができるのです。

前述させて頂いた通り今の日本の年金財政は厳しく、年金財政を維持しようとする場合、年金の支給額を抑制する方法も考えます。

年金の支給額を抑制すれば、当然受け取る側の年金額も少なくなるため、生活に困窮する人も増えてしまいます。

そうなった場合、生活保護の請求が増えることも考えられるため、現役時代に様々なメリットを用意してなるべく自分で年金作りを実施して欲しいという国の想いもあるのでしょう。

これらのことから、日本の年金財政は厳しい状況にある、と国も認めたと言えるでしょう。

そうなれば老後の安心は私達自身がつかみ取らなければならないのです。
そのためには現役時代にもメリットを受けることができるiDeCoの活用は必須とも言っていいのではないでしょうか。
それではiDeCoとはどのような仕組みと特徴があるのか具体的に見ていくことにしましょう。

iDeCoの仕組みと特徴を解説

iDeCoは2018年1月に自分で行う年金作りの制度として始まりました。
公的年金の上乗せという形で、任意での加入となります。

公益財団法人生命保険文化センターのよると、世帯主が60歳以上の無職世帯(世帯人数2人)の家計の消費支出は月額238,000円という結果を報告しています。

このうち、公的年金などの社会保障給付費が約175,000円で、1ヶ月で63,000円不足していることになります。

この不足分については、貯蓄で補うなどしなければなりません。

そして個人の継続的な自助努力を支援するためにiDeCoが始まりました。

しかしiDeCoは誰でも加入できるわけではないことと、雇用形態や勤め先の年金制度により上限額もことなります。

①自営業者、学生等(第一号被保険者) 月額拠出上限額:68,000円
②専業主婦等(第三号被保険者) 月額拠出上限額:23,000円
③サラリーマン等(第二号被保険者) 月額拠出上限額:12,000円〜23,000円
④公務員等(第二号被保険者、共済加入者) 月額拠出上限額:12,000円

また、③サラリーマン等で勤め先の企業年金制度がiDeCoの加入を認めていない場合があります。

不安な方は、自分がiDeCoに加入できるかを会社の人事や総務の担当者に確認しておくといいでしょう。

iDeCoは私的年金の一種ですが、公的年金との大きな違いが自分が拠出した分は必ず受け取れる、という点です。

しかしiDeCoは金融商品で運用するため、場合によっては元本割れ(拠出した金額を下回る)する可能性があります。

それではiDeCoのメリット、デメリットについて詳細を見ていくことにしましょう。

iDeCoのメリットを理解しよう

iDeCoのメリットは大きく3つです。

①運用益が非課税
②運用商品を自分で選択可能
③掛金が全額所得控除

運用益が非課税

定期預金金利、株式などの売却益などえを受取ると20.315%の税金が課税されます。

たとえば株式で40万円の利益を得た場合でも約2割の8万円が税金として徴収されてしまうのです。

ところがiDeCoはこのような運用益に税金が一切かかりません。

運用商品を自分で選択可能

iDeCoは自分で金融商品を選択することが可能です。

商品のラインナップも様々で、株式、債券、REIT(不動産上場投資信託)もあれば、元本確保型の定期預金などでも運用することが可能です。

一般的に20代〜30代の人であれば、リスクを積極的にとって株式の比率を高くし、50代の人はリスクを抑えて元本確保型の商品の比率を高くします。

たとえ20代の方であっても、元本割れを絶対に起こしたくない、と思えば元本確保型の商品のみで運用することが可能です。

掛金が全額所得控除だから節税できる

前述させて頂きましたが、iDeCoという制度が始まった理由は国も年金財政が厳しい、ということを認めたと考えられます。

つまり国としては、多くの国民にiDeCoを行なって頂き少しでも年金財政を建て直したいのです。

ところがいくら積極的にiDeCoを始めることを呼びかけても現役時代にメリットが少なければ、誰も見向きもしてくれないでしょう。

そこで現役時代のメリットとして、掛金全額を所得控除にしてくれます。

所得控除とは、所得(給与などの収入)から一定額を差し引いて課税所得を低くする制度です。

たとえば住宅ローン控除や、生命保険料控除などがこれに該当します。

どれくらい税金が安くなるのか、下記の例でシミュレーションをしてみましょう。

・掛け金:毎月20,000円

・所得税率:20%(仮定)

・年間の税金軽減額:240,000円+48,000円 = 288,000円

・30年後の税金軽減額:288,000円×30年 = 8,640,000円

30年間で8,640,000円も節税効果があるのです。

ちなみに定期預金で自分の老後資産を築いた場合の節税金額は0円です。

iDeCoで老後資産を形成しながら、同時に節税対策もしっかりと行うことができるのです。

iDeCoのデメリットも知っておこう

iDeCoのデメリットは大きく2つです。

①60歳まで引出しができない
②運用成績によって受取額も変わる

60歳まで引出しができない

繰り返しますが、iDeCoは老後資産形成のための自助努力を支援するものです。

国としてもしっかりiDeCoを活用してもらい、年金給付金の抑制につなげたいという狙いもあり、
現役時代にもメリットを設けたりして、なるべく多くの方にiDeCoに加入してもらおうとしています。

せっかく現役時代に節税などのメリットを与えているのにもかかわらず、60歳を前に引き出されてしまっては本末転倒です。

そのためiDeCoは60歳まで1円たりとも引き出すことができないのです。

このことから現役時代にあまり無理をしてiDeCoに拠出しすぎると、いざという時に経済的に困ってしまうことが出てくる可能性があります。

いくら節税のメリットがあるとはいえ、あくまで余裕資金で行うことを前提にしておくといいでしょう。

運用成績によって受取額も変わる

iDeCoは主に金融商品で資産運用を行っていきます。

資産運用を行うので、運用結果によっては大きく資産を増やすことも可能です。

しかしそれはメリットと同時にデメリットでもあります。

そもそも資産運用を行う上でまず考えるべきことは「リスク」と「リターン」についての理解です。

皆さんは「リスク」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?

よくある間違えとして、リスク=損失を思い浮かべることがありますが、正解は「振れ幅」のことを言います。

たとえば以下の文言からどのようなイメージを浮かべますか?

この商品は年間10%の上昇見込みがあります

多くの方は、「この商品は年間10%も上昇するんだ」と思われるのではないでしょうか。

しかしリスクとリターンの概念から言えば、年間10%上昇するということは、年間10%下落する見込みもある、とうことなのです。

つまり利益または損失どちらか一方向にしかいかない金融商品などない、ということです。

ちなみにこの場合の商品は、「リスクが10%ある」と言います。

 

資産運用を行うということは、大きく利益を出せる可能性もあれば損失を受ける可能性もある、ということなのです。

投資ではリスクをとってこそのリターンとも言われ、リスクを取らなければリターンを得ることができません。

 

iDeCoで資産運用を行い、将来の年金受取り額を大きく伸ばしたい、と思えばその割合と同程度損失を受ける可能性もあることを忘れてはいけません。

 

このような特徴のあるiDeCoですが、実は加入した方がいい人と、しない方がいい人がいます。

それぞれについて詳しく見ていくことにしましょう。

 

 

iDeCoに加入した方がいい人とは?

iDeCoを始めた方がいい人はこんな人です。

1,公務員
2,会社員
3,自営業者、フリーランス

公務員

日本の年金制度は3階建ての構造になっていることは前述させて頂きました。

これまで2階の部分は会社員は厚生年金、公務員の場合は共済年金に加入していました。

ところが2015年10月、公務員が加入していた共済年金は厚生年金に一元化され、給付や保険料は厚生年金の金額に統一されました。

さらに共済年金特有の「職域加算」という制度の廃止により、さらに年金額が減ってしまいました。

つまり現在では一般の会社員と同じ年金制度となっているのです。

また同時に公務員の退職金も削られている、という現実があります。

2012年の法改正で、公務員の退職金水準は民間と乖離が大きいとして、約400万円も削られています。

2017年の法改正でも民間より高いとして、約80万円も削られています。

このように公務員の老後の安心を得るには、現在の年金制度や退職制度だけでは足りません。

老後の不安を少しでもなくすためには、iDeCoへの加入はぜひ検討していきたいと思うでしょう。

会社員

会社員はなかなか節税ができないと思われがちです。

ところが今は違い、iDeCoに加入することにより大幅な節税ができるよになりました。

iDeCoの特徴として、掛金全額が所得控除にすることができることを前述させて頂きました。

つまり掛金を拠出すればするほど税金を安くすることが可能なのです。

これまで会社員の方の節税といえば、住宅ローン控除、生命保険料控除、扶養控除など限られた人にしかそのチャンスはありませんでした。

ところがiDeCoは条件さえ満たせば誰でも加入できるため、節税対策に大いに貢献できるのです。

iDeCoとよく似た私的年金作りとして、個人年金保険があります。

個人年金保険は保険会社と契約するもので、毎月積立てを行い老後に受け取るというiDeCoと仕組み上は同じです。

ところが個人年金保険で控除される金額(個人年金保険料控除)は最大でも、

【所得税】
年間払込保険料額:80,000円超 ⇒ 一律40,000円

【住民税】
年間払込保険料額:56,000円超 ⇒ 一律28,000円

つまり個人年金保険は掛金全額が控除されるわけでなく、どれだけ多くの金額を掛けても最大で所得税40,000円、住民税28,000円しか控除されないのです。

掛金全額が控除されるiDeCoはいかに節税効果が大きいかを理解することができるでしょう。

会社員の数少ない節税方法の中でiDeCoの活用は現役時代にも大きなメリットとなりうるのです。

自営業者、フリーランス

自営業者やフリーランスの方は会社員や公務員に比べ公的年金制度の保障が少ないのが現状です。

それは前述させて頂いた、日本の年金制度の1階の部分しか加入できないからです。

ちなみに1階部分の基礎年金の受給額は平成30年1月末で、月額55,518円です。
※平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況より

月額55,518円だけではとても生活することはできないでしょう。

そうなれば自分で老後の生活費を用意するしかないのです。

これまでの自営業者やフリーランスの方は、自分で資産運用を行ったり、民間の保険会社の個人年金保険などで老後の資金を確保していました。

そこに新たにiDeCoを活用することができるようになったのです。

 

加入できる公的年金が、基礎年金のみであるためiDeCoの月額掛け金上限額は68,000円です。

しかもこの掛金は会社員などと同様、全額所得控除とすることができるのです。

老後の生活費の確保と節税と2つの大きなメリットを受けられる自営業者やフリーランスの方にとってはiDeCoの存在は相当なものとなるでしょう。

iDeCoに加入しない方がいい人とは?

iDeCoに加入しない方がいいかもしれないのは、こんな人です。

1,収入が少ない人、借金がある人
2,専業主婦
3,他の所得控除が大きく、所得税がかかっていない人

収入が少ない人

iDeCoは老後の資産形成と同時に現役時代でも節税対策が行えることはお伝えしました。

では家計を見直して、無理にでもiDeCoに加入すべきかと言うと、それは間違いです。

家計管理の基本は、収入と支出のバランスを考えながら目の前の生活を安定させることです。

これはよくある間違いの一つですが、少しでも収入を増やしたいと思い安易に投資に手を出してしまうことです。

確かに投資で上手く運用できれば、不労所得を得て毎月の家計に潤いを与えてくれます。

しかし投資を行うということは、同時にリスクを背負うということになります。

投資したお金全てが0円になってしまうこともあるのです。

確かにiDeCoは現役時代にも節税というメリットもありますが、日々の生活を切り詰めてまで行うものではありません。

iDeCoも投資商品を扱うため、リスクをしっかりと理解し、あくまで余裕資金で行うようにしましょう。

専業主婦

103万円の壁や130万円の壁というワードを聞いたことがある方も多いでしょう。

これは専業主婦の方の場合、年間130万円を超えない範囲に年収を納めると国民年金保険料を納めずに済むのです。(130万円の壁)

また同時に年間103万円を超えない範囲に年収を納めると、所得税と住民税を納めずに済みます。(103万円の壁)

つまり現在年収が103万円以下の専業主婦の方は所得税や住民税を納める必要がなく、仮にiDeCoに加入して節税をしようと思っても全くメリットがないのです。

ちなみに自分が受けた節税のメリットを夫や家族の方に与えることはできません。

自分は節税のメリットが受けられないから、夫や家族の方の所得税や住民税を控除することができないのです。

他の所得控除が大きく、所得税がかかっていない人

たとえば住宅ローン控除や、扶養控除などにより所得控除受けており、すでに所得税がかかっていない方もいらっしゃいます。

その場合、いくらiDeCoで掛金を拠出しても節税のメリットは受けられません。

ご自身の給与明細や源泉徴収票を確認し今所得税や住民税を支払っているのか、またその金額がどれくらいなのかをしっかり確認するようにしましょう。

まとめ

iDeCoについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

iDeCoはお得な制度である、という認識は間違っていませんがしっかり制度を理解しておかないと逆に損をしてしまう可能性もあります。

まずは自分がどれくらいの節税メリットがあるのかシミュレーションをしてみるいいでしょう。

源泉徴収票を見ながら下記サイトでシミュレーションをしてみてください。

iDeCo節税シミュレーション
個人型確定拠出年金(iDeCo)節税シミュレーションのページです。節税シミュレーションでは、節税対象となる「積立時」「運用時」「受取時」の税制優遇メリットを確認できるシミュレーションです。

老後の資産形成と同時に現役時代にしっかり節税も受けられるiDeCoを有効的に活用して、老後の不安を少しでもなくしていきましょう。

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