こんな成功者の本は読むな!“自称”成功者が書いた本の特徴

 ビジネスで成功していく上で自ら学習するのは非常に重要なことです。学習の代表例と言えばビジネス書を読むことですが、中でも成功者の本を読むと様々な気付きを得ることができます。ただし、成功者にも2種類の人間がいます。“自称”成功者と本物の成功者です。本稿では、島倉さんが“自称”成功者が書いた本の特徴を解説します。

本を出している成功者にも2種類の人間がいる


 今日は、「“自称”成功者が書いた本は読むな!」というテーマでお届けしようと思います。

 ビジネスで成功していく上で学習は確かに重要なことです。

 学習と言えばビジネス書を読むことが代表的なところですが、中でも成功者が書いた本は皆さんもよく読まれることでしょう。

 ただし、本を出している成功者にも2種類の人間がいます。“自称”成功者と本物の成功者です。

 私が考える本物の成功者とは、たとえばヤマト運輸の創業者である小倉昌男さんなんかでしょうか。彼の書いた本は全て買って読みました。

 日本郵便という覇者に異を唱え、流通業界の改革を掲げ、多くの妨害に遭いながらも、実際にこれを実行した過程で、彼が考えたこと、ビジネスの仕組みの作り方から非常に学びを得ることが出来ます。

 ネットマーケティングとかそういうものはありませんが、彼の戦略論やモノの捉え方なんかは時代を超えて勉強になるところがあって、本当にいろんな人に知ってもらいたいと思います。

“自称”成功者が書いた本によく現れる特徴とは


 じゃあ、いわゆる“自称”成功者ってどんな人なのか?という話なのですが、それは本の帯とか、タイトルを読んでもらえればわかります。

 本の帯に、「借金2億から年商10億円の会社を立ち上げた男の成功マニュアル!」みたいな、そういう本を書いているのは、大抵が“自称”成功者です。

 こういう本のあらすじはだいたい、「ビジネスを始める前は不幸だった…そこから一念発起して今や◯億円!」という流れで出来ています。

 起業前の不幸話が色々と書き連ねてあるんですが、これを読んで読者はガチッと心を掴まれ、起業して大成功、大逆転!という過程で心踊り…

 ここが肝心なのですが、“自称”成功者の本は、最後に必ず自分の会社の話、要は広告につながっていくんですよ!極端なバカの書いた本だと、今ならメルマガとかライン@とかでオファーを出していることもあります。

 ここで思い出したいのが、私達がビジネス書を読もうとする際は、成功者のマインド、考え方、工夫が知りたいわけです。

 本当の成功者が書いた本は、魚を釣ろうとする時に、それぞれが釣る魚は全て違う魚だということを知っていますから、どんな魚を釣ったらハッピーになるみたいな話はしません。

 代わりに、魚を釣る際の心構え、釣り方、引き上げタイミングといった、戦略論に終始して教えてくれます。そっちのほうが、最終的には読む人の利益になると知っているからです。

 魚とは言わずもがな、お金のことです。

“自称”成功者のカモ、ノウハウコレクターになるな


 ところが“自称”成功者の本というのは、「こういう魚を釣ると良い!」みたいなことを、平気でドヤ顔して書いているんですよ。

 うちのサービス凄いでしょ!というような売り込みを読者にバレないようにやってるんですよ。

 そして、“自称”成功者は大抵の人が、何冊も本を出していていくうちに、最初は自分の成功体験本だったところから、自己啓発みたいなネタにどんどん傾いていくんですね。

 そして、これを読み漁る人がいます。こういう人は“自称”成功者のカモ、いわゆるノウハウコレクターです。

 あと、俺金持ち!って、フェラーリとか大豪邸とか見せびらかすような「経営者」の本も論外です。速攻でそんな人の本は捨ててください。それは広告ですから。

 資本主義っていうのは、労働者>経営者>株主(投資家)って決まっていて、まだ経営者としてちょっと成功したくらいで、投資家として成功もしていないのに、そんなものに浪費する人間はお金を味方にしていません。

 大抵は何年かしてパッとしなくなりますから。

 本当に資本主義で勝ち抜こうと思うんだったら、そういうバカの成功本なんか読まないで、魚の釣り方を教えてくれる本物の成功者の本を何冊か読んで、あとは寝る時間を惜しんで経営者から投資家になるために戦うだけです。


 
(執筆者:島倉大輔)

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