2,300万回再生を記録した登美丘高校のバブリーダンスに学ぶ中小企業の広告

 中小企業にとって、「広告・採用・教育」は弱点となりやすい分野です。中でも限られた予算で、相手の記憶に残る広告を作るのは至難の業。そこで今回ご紹介したいのが、大阪府立登美丘高等学校のダンス部によるバブリーダンスです。トラウマになるほど面白くて、夢に出てくるくらいのインパクト。中小が自社の認知を広めるためには、同じように思い切った施策を打つ必要があります。

中小企業は相手の記憶に残る広告作りが苦手


 今日は中小企業が弱い「広告・採用・教育」のうちの、広告についてお話してみたいと思います。

 広告については、いつも我々も社長さん方と作戦を組んで戦っているわけなんですけれども、まぁ色んな媒体があります。

 中小企業の広告というものは、一般的なものは看板であったりWEBサイトであったり、チラシであったりとかね、この辺を中心にやっていくんですけれども、やはり当たりが良いのは、顔出しであったり、それから漫画であったり、あるいはチラシであれば手描きであったりね、そういうものが結構当たりが良いですよね。

 ですから、見込み客の人達が、商品やサービスが必要だって思った時に、パッと思い出してくれる、要するに相手の記憶に残る広告を作るために、日々戦っているわけでございます。

大阪府立登美丘高等学校のバブリーダンス


 それで先日、小学校5年の私の次男坊が学芸会で劇をやったんですが、「自分の担当はダンシングヒーローなんだけど、ダンシングヒーローって知ってる?」って言うんですね。

 ダンシングヒーローって我々の時代だとね、「荻野目洋子さんが歌ったダンシングヒーローしか知らないけど…」って答えましたら、「あ、多分それだ」って言うんですね。




 ねぇ、ばっちり決まってますでしょ(笑)。

 それでね、実際に劇を見に行きましたら、本当に荻野目洋子さんのダンシングヒーローなんですよ!

 もうね、ガッツリ踊ってるっていう(笑)…

 私ビックリしまして、劇が終わった後に「なんで、みんなが知らないような昔のことを劇の中に入れてやってるの??」って聞いたんですよ。

 そしたら次男坊が「いや、違うよ!今さ、バブリーダンスってすごく流行ってるんだよ!」って言うんです。

 ”バブリーダンス”って一体ナニモノか!と思いましてね、私調べまして…ビックリしました!

 高校生のダンスの全国大会で、大阪府立登美丘高等学校というところが、この”バブリーダンス”をやっているんですけれど、もう本当にね〜、この化粧の仕方とか、バブリーな服装とかね、ぜんぜん高校生に見えないっ。


 

 本当に申し訳ないですけど、そこいらのおばちゃんですわ(笑)!

 おばちゃん達がキレッキレのダンスを踊っているわけですよ。

 いや〜、これは流行るわ!と思いましたよ。

 だってね、本当トラウマになるくらい、夢に出てくるくらいのインパクトがあるじゃないですか。もう最高です。

総再生回数5291万回で、おそらく日本一有名な部活になったダンス部


 この登美丘高校のダンス部は、2015年全国大会優勝、2016年も優勝、そして2017年は残念ですけれど、他の大阪名門校が優勝して準優勝だったんですね。

 YouTubeの方でも再生回数が非常に上がっておりまして、中でも再生回数が1番多い動画は2300万回いってます。

 つまり全国…いや、日本だけではなく全世界で見られているんだと思いますので、よくよく考えると、もしかしたらね、日本で1番有名な部活になったかもしれないですよね。

 この登美ケ丘高校のダンス部は、今Twitterとかで見ると部員さんが105名は在籍しているようです。

 そしてね、この仕掛け人!YouTubeでこれだけ再生回数を回した仕掛け人って一体どんな人なんだろうと思いましたらね、『アカネキカク』さんていう方でした。

 チャンネル登録者は2017年12月11日時点で114,861名、チャンネル自体は古くて2011年8月18日に登録しています。

 なんと、視聴回数は全体で5291万回ですよ!!

 一体どんな広告屋なんだろう!!と思ったらね、実はアカネキカクさんは25歳の女性でございまして、登美丘高校のダンス部を同好会から部活に昇格させた1番最初の、創部した本人らしいです。

 そして、高校卒業後に大学へ進学するんですが、顧問として呼び戻されてコーチやってくれって感じでね、どんどんどんどんダンス部を表舞台に引っ張り出していくんです。

 そこからは、登美丘高校のダンス部を2回全国優勝へ導いて、そして今年も”バブリーダンス”で、もう子どもたちも知っているようなね、それくらいのインパクトを与えてね〜。

 今じゃ、色んなイベント、CM、テレビ番組に出演と引っ張りだこで、いわゆる決め買いです。「登美丘高校ダンス部」っていうブランドを作っちゃったんです。


 

 私は、この方、広告屋として凄いと思います。

 25歳でもうこんだけのことができるんだって。やっぱり世の中ってのは凄い人がいるんだな〜!って。本当に感心する限りです。

大手ですらインパクト命!目立ってなんぼ!いわんや中小企業をや。


 我々も中小企業の広告を考えていく時に、もちろんこういう素晴らしいインパクトを与えることができれば1番嬉しいんですけれども、まぁ”我々にもできる範囲で”っていう感じで、他にも参考になるものがありました。

 キリンさんの乳酸菌製品のCMなんですけれど、小学生の”あるある”を集めたものなんです。


 

 これを参考に、我々の時代の「小学生あるある」あったよなとか、そういうふうに繋げていくと、我々も簡単に企画が上がるし、YouTubeに流すだけだったら、そんなにバシッと作りこまなくて良いわけだし。

 キリンさんからもう1つご紹介します。

 キリンさんが今月、ドラマ仕立てのCM『トレンディーの法則』っていうのを公開しました。


 

 トレンディードラマの定番の”あるある”をネタにしたものです。

 画面も昔のブラウン管の3対4のサイズになっていましてね、いかにも江口洋介さんみたいなロン毛男子もいて、みたいな(笑)。

 これもね〜、私正直ハマりました。

 ハマったっていうかね、もうこれ商品売る気あるのか無いのか分からないくらいね〜、トレンディードラマの法則の方が前に出ちゃってて面白いんですよ(笑)。

 そこだけ頭に残っちゃってっていう(笑)。

 でも、「これはキリンさんが作ったんだ」っていうことが、私は頭に残っちゃったわけです。要は、「キリン」って覚えちゃったんです。

 ですから、我々中小企業の広告、もちろん予算も無いしね、ところが企画力だけは意外とみんなでガヤガヤやれば、学園祭のノリで良いわけですから、こういうのも実際できるんではないかと思います。

 要はね、目立ってナンボ。埋もれてる暇なんかないっていうことです。大手さんですらそうなんですから、いわんや私達のような中小企業はカッコつけて右ならえしてたんじゃ誰も覚えちゃくれません。

 あんた誰〜?ってね(笑)。

 相手の印象に残って、そして見込み客がどんどん増えていくっていうね、その法則に従ってこういうこともやっていったら良いんじゃないかな〜、と思います。

 実際に、そういうことをやるインフラってどんどん整い始めてますし、どうでしょうかね。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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