事業は必ず衰退する〜成長期と成熟期に経営者が手を打つべきこと

 どんな事業も最後は必ず衰退します。事業が人によって作られる以上、事業も生き物であり、ライフサイクルの最後は衰退、そして消滅です。したがって、ある事業を成長期、または成熟期まで迎えさせることができた場合、その期間で必ずやっておくべきことがあります。南本さんの解説です。

ライフサイクルを踏まえて経営しないと会社が破綻する


 皆さん、こんにちは。組織活性化プロデューサーの南本です。よろしくお願いします。

 今日のテーマは、『自社商品のライフサイクルを知らないと経営は破たんする!』です。

 皆さんの会社も色んな商品やサービスを複数取り揃えていると思います。

 これら商品や製品やサービス、事業モデルには必ずライフサイクルがあります。

 ライフサイクルを踏まえてビジネスしないと必ず経営が破綻するんですけれど、特に若い企業さんとかは、そういうことが肌感覚でなかなか理解できないところがあります。

 なんせ、「自分達の商品、サービスはこれからなんだ!」と思っていますからね。当然のことです。

ライフサイクル4つのフェーズ、それぞれの特徴


 まず、ライフサイクルって何か?という話から始めましょう。

 ライフサイクルっていうのはこういった曲線を描きます。

節約社長

 ちょっと見えにくいかもしれませんが、最初に『導入期』というものがあります。すべての商品やサービスは、『導入期』から始まります。

 導入期から始まって『成長期』『成熟期』『衰退期』という4つのフェーズをたどっていきます。

 これは、どんな商品やサービスにも必ずあります。経営者の皆さんは必ず押さえてくださいね。

 例えば、私の会社で行くと、給与計算、適性検査、人事のコンサル、就業規則、社会保険の手続き、こんな具合に色んなビジネスがあるんですね。

 これらも必ずライフサイクル曲線を描いていきます。

 例えば『導入期』っていうのは売り上げが低水準で、売り上げがほとんど立ちません。

 競合もほとんどないんですけど、コストが凄くかかるので利益はほとんど出ない、赤字です。

 この『導入期』を経て、だんだん認知度が上がった商品やサービスは『成長期』を迎えます。

 普及していくと、どんどん成長していくので、売上も利益も出てくると、こういう形ですね。

 やがて、商品というのは『成熟期』を迎えますので、『成熟期』にはそれ以上拡大しなくなっていき、ピークを迎えます。

 このタイミングで利益は最大化していきますが、そのまま放っておくと、やがて右肩下がりで衰退が始まっていきます。

 要は商品やサービスが飽きられてくるんですね。

成長期と成熟期に経営者がやっておくべきこと


 このサイクルは絶対にどんな事業も避けられませんから、経営は衰退を念頭に行われる必要があります。経営者が理解しておくべきは、事業はやがて衰退するという事です。

 だから、事業が1つしかない、その事業で儲かってる会社さんがあれば、必ず次の手を打たないとアウトです。

 もう1つ、『その時は突然やってくる』ということも念頭に置かねばなりません。

 ある事業で成功すると、多くの経営者さんが「絶好調なのよ、うちの会社」みたいな感じで、無駄な経費を使い始めたり、生活がちょっと荒れてきたり、贅沢になってきたり…

 ここで手綱を締めて、資金をきちっと貯めて、次のビジネスに投資していかないといけません。

 でも、ここでお金を無駄なことにドバーッと使っちゃうんですよね。『ゆでがえる』になっちゃうわけです。

 『ゆでがえる』ってどんなことかというと、蛙がボーッと水の入った桶に浸かっていているんですが、下に火がついてる光景を思い浮かべていただければと思います。

  まだ冷たいな。早く温かいお湯にならないかな。(導入期)→あー気持ちいい湯になってきた(成長期)→あーちょっと熱くなってきた(成熟期)→ギョエェっ!!死ぬ。てか、逃げられない。(衰退期)

 こうやって最終的に蛙は煮えたぎってしまうと。

 ライフサイクルをたどる過程では、同じような現象が起きやすくなります。

 そうならないように手を打っていかないといけないのですが、どうすれば良いかと言うと、『新たな事業を立ち上げしていく』しかありません。

 全く別の事業じゃなくても良いんです。

 シナジーのある『相乗効果が出る新たな事業を考えて立ち上げていく』作業が必要だったりします。

 最後に、新たなライフサイクルを作るのは新しい人材、若い人が中心になるのをおすすめします。

 会社を継続させたいなら、時代に変化・対応していく人を常に育成する必要があるんです。

 商品やサービスのライフサイクルも、昔と比較して加速度がついて早くなっていますから、やっぱり年を重ねた普通の人じゃ着いてこれません。

 次から次へ、こういうふうに事業を立ち上げて維持していかないといけないですから、成長期や成熟期に、若くて頭の良い人材をどんどん採用して、育成していきましょう。


 
(執筆者:南本 静志)

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