伊藤博文 もっとも若い総理大臣としてのキャリア そして初代統監としての韓国への思いとは

 現在韓国では反日感情が高まっており、日本人としては複雑な思いを持っている人が多いかと思います。その深い憎しみは戦争中の「慰安婦」問題が根強く残っているからなどとされています。しかし、そんな日韓間の関係で、韓国併合反対を訴え、尽力した方がいます。それが伊藤博文です。今回はそんな伊藤博文にせまっていきます。

 1841年、決して裕福ではない家に生まれた伊藤は、幼いころから奉公に出されていました。そんな中、16歳の時紹介で松下村塾に入門しましたが、身分が低いからと、塾外で立ち聞きしていたそうです。師である吉田松陰が安政の大獄で斬首されてからは、高杉晋作や桂小五郎らとともに、尊皇攘夷運動に参加しました。
 1863年からイギリスに渡航して、英語を学んだり、工場などを積極的に見物するなどして、見分を広めました。このイギリス留学での経験が、のちに伊藤の武器となります。

 明治維新後は、長州における実力者であることと、英語に堪能であることを武器にして、政治にかかわるようになりました。
また、1871年には、かの有名な「岩倉使節団」の副使として渡米、その後ベルリンにわたります。一時帰国後、また渡欧することで、伊東は大日本憲法や内閣制度への大きな足掛かりを得ることになります。
そんな中、日本では征韓論争が活発になっていました。伊藤は「内治優先」を掲げた大久保利通らに賛同し、大久保の信任を得ます。そうして韓国に関わることになっていくのでした。

 1885年、内閣制度に移るにあたって、初代総理大臣の就任に2人の候補が出てきます。一人は政府のトップであった三条実美、そしてもう一人が伊藤です。三条家の華やかなお家柄とは反対に、貧しい家に生まれ、低い身分の出身である伊藤、誰もが初代総理大臣は三条だと思っていました。しかし、ここで重要視されたのは、伊東の培ってきたスキルでした。伊藤の盟友である井上馨は、「これからの総理大臣が外国の電報を読めなくてはならない」、と家柄ではなく能力を優先する意見を挙げると、周りもそれに賛同しました。そうして生まれたのが、初代伊藤内閣です。ちなみに彼は、日本の歴代総理大臣の中で。もっとも若い総理就任を果たしました。

 その後、伊藤が二度目の総理大臣に就任すると、日清戦争が勃発します。その苦い経験からか、伊藤は日露関係において、宥和政策を訴えました。しかし日露戦争は起こり、戦後はロシアとの戦後処理に当たることとなりました。

 1905年には韓国統監府で初代統監に就任し、ここから韓国へ尽くすようになります。実は伊藤は韓国併合には反対していました。もちろん日露戦争後の日本の経済面、軍事面できつい状況であったことも理由の一つです。しかし、それだけではなかったのです。
 伊藤は韓国人の資質を高く評価していたことも明らかになっています。その韓国の歴史、民俗性を見て、韓国が自ら復興し、経営できることを主張していました。また、才能面では劣るところはないとまで言っています。伊藤は、そうやって、韓国併合に反対しつつ、韓国の政治改革に尽力していました。しかし、伊藤は韓国支配に反対していた安重根に暗殺されてしまうことになります。一説では、安重根は決して伊藤が憎くて暗殺したわけではないとされています。彼はやむにやまれぬ心で、暗殺してしまったという資料が残っていて、遺族に謝罪もしています。そういう面では、統監としての伊藤は、けっして韓国人全員に憎まれていたわけでなく、中では伊藤のリーダーとしての能力を認めていた人々もいたのかもしれません。もしも伊藤がこの時暗殺されていなければ、今の日韓関係も変わっていたのかもしれません。


 最後に、伊藤博文の名言を二つ挙げます。彼の貧しいながらも内閣総理大臣にまで至ったその考えが如実に表れている言葉です。

「大いに屈する人を恐れよ、いかに剛とみゆるとも、言動に余裕と味のない人は大事をなすにたらぬ。」
「いやしくも天下に一事一物を成し遂げようとすれば、命がけのことは始終ある。依頼心を起こしてはならぬ。自力でやれ。」

 常に逆風に立ち向かっていった伊藤博文。現在の我々には、彼に学ぶことは多多ありそうですね。

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