M-1グランプリで「とろサーモン」が優勝した理由に学ぶビジネスの教訓

 2017年のM-1グランプリファイナルには、「とろサーモン」と「ミキ」と「和牛」という三組が残りました。見事に優勝したのはとろサーモンでしたが、彼らが他の二組以上にポイントを稼いだ要因、それは、観客の心をいち早く掴まえた「つかみの早さ」です。いわんやシビアなビジネスの世界では、よりいっそう、つかみの早さが求められます。

とろサーモンがM-1グランプリで見事に優勝!


 先週、M-1グランプリが開催されました。

 M-1グランプリといえば、お笑い界で事実上の頂点を決めるイベントに成長したわけですが、個人的には今年のレベルは特に高いなぁと思いました。

 最後のファイナルに残ったのは、「とろサーモン」と「ミキ」と「和牛」の三組でした。

 和牛さんは昨年2位で今年こそは!ということで、前評判通りの完成度でした。ミキさんも全然知らなかったですけれど、なかなかおもしろかった。

 そして、優勝したのはとろサーモンさん。見ていて安定感があるし、本当に楽しい漫才だったと思います。

とろサーモンが優勝した理由「つかみの早さ」


 それで、優勝を決める前のインタビューで、今田耕司さんが評価員のメンバー、巨人阪神さん、松本人志さんに、「勝者を決めるポイントは?」と質問したんですが、みんな「なかなか難しい。選びにくい。」と一様に答えていました。

 ところが、博多華丸の大吉さんだけはきっぱりと、「一点だけ優れたポイントをあげた芸人さんがいるので、その人に投票します。」と言い切りました。

 大吉さんが投票したのは、ズバリ今回優勝した、とろサーモンさんでした。

 なぜ、とろサーモンなのか?という質問を番組の最後に、今田耕司さんが大吉さんに投げかけたんですが、大吉さんは、「つかみが一番早かった」と答えたんです。

 確かにそうだったんです。とろサーモンさんは、出てきた初っ端から観客の笑いを掴みに行ってました。

 ミキさんは漫才をはじめて少し経ってからのつかみ、和牛さんは前半それほど面白くなくて(フリだから)、後半にドッと笑わせるスタイルのつかみでした。

ビジネスの世界では「つかみの早さ」がよりシビアに求められる


 漫才をどのように評価するかは人それぞれだと思うのですが、大吉さんの言った「とろサーモンは、つかみが一番早かった」という言葉、これはビジネスの世界でも凄く大事なことです。

 今の時代に、いつまでも売上があがらない、ビジネスが上手く行かない会社って、基本的に「つかみが遅い」です。

 私は経営コンサルタントですが、同じコンサルタントでも自分のノウハウだとかテクニックをひた隠しにする、出し惜しみして小出しにしか出さない人がいます。

 こういう経営コンサルタントはだいたい儲かってません。お客さんが付いてません。

 心理学では「初頭効果」という有名な原則があります。

 人って相手の評価を、出会った一番最初に決めてしまう傾向があって、恋愛心理学なんかでも第一印象で90%以上は決まると言います。

 ビジネスはお金をかけた真剣ゲームですから、よりいっそう、取引先や見込み客は最初の掴みで私達をシビアに判断するわけです。

 だからこそ、第一印象の入り方には特に気をつけて、全力を注ぐ必要があります。

 自分がお客様に対して、つかみの早い商品・サービス提供ができているか、もう一度振り返ってみるのはいかがでしょうか?


 
(執筆者:島倉大輔)

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